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DDFF:召喚士は強し?

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ティーダは目の前に立つ人物に驚いて動きを止めた。
「……こ、れ……。……練習試合……だよな?」
相手も驚いたらしく、表情が強ばっている。
「キミと戦うなんて……」
ユウナがロッドを構えて立っていた。
二人とも全ての記憶を思いだした訳ではないが、互いが大切な存在であるという認識はある。
だが今は戦わなければならないのだ。
戸惑いを隠せないティーダと、同じく悲痛な面持ちのユウナ。
二人は暫くじっとしていたが――
「……戦うしか、ないんだよね……」
決心したように呟いたユウナがきっとティーダを見つめる。
「ユウナ、オレは……!!」
何とか戦いを止めさせよう――としたティーダの耳に、ユウナの声が聞こえてきた。

「バハムート!!」

――ちょっと待て?
そう思って見上げたティーダの目の前に、見たことがある竜の姿が現れる。
そして信じたくないが、その竜はティーダに向かって攻撃態勢をとっていた。
「ち、ちょっと待ってくれユウナっ!! いきなりっ!?」
「キミを苦しめたくないの……一撃で終わらせるから!!」
「いや、苦しめたくないならやらない方向で行くってのは……」
「戦いは避けられない……なら、これが一番だと思うんだ……!」
何故自分がやられる、という方向が一番なのだろう?
回避も間に合わない。
――しかもユウナのレベルは、何だか自分よりも結構高い気がする。
下手しなくてもこの一撃でやられる可能性が―――
「全てを焼き尽くして!!」

ユウナの声が響き渡った次の瞬間、どご――――ん!! という激しい爆発音がフィールド上に響き渡った。




光の円から現れたバハムートを慈しむように、ユウナが微笑みを浮かべている。
「みんながいるから、負けはしないよ」
そしてバハムートのメガフレアで完全にノックアウトされたティーダが床に転がっていた。
「……だ、大丈夫か?」
ちょうどその様子を通りかかって一部始終見てしまったフリオニールが、床にのびたティーダを心配そうに眺めている。
「ユウナ……ちょっとやり過ぎなんじゃ……」
「大丈夫、私のティーダは強いから!」
「……さ、さすがに至近距離でメガフレアを食らったら、幾ら強くても限界がある……ッス……がく」
にっこりと微笑むユウナと立ち上がれないティーダを見て、「恋人が出来るってのも考えものだなー」とフリオニールが思ったのは、二人には内緒の話。






END




※自分=ティーダ、CPU=ユウナ で本当にバハムート一撃でした……確かにユウナの方をレベル上に設定しましたけれども、あまりにも迷いなくティーダを屠ってくれたので笑うしかなかったという出来事です(´Д`;)。
作品名:DDFF:召喚士は強し? 作家名:八神涼