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神楽’s Birthday another

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今日は、彼女の神楽の誕生日。普段は付き合っていても俺の仕事上、会える時間が少ないから今日くらいは甘えさせてやろう。
……そう思っていたが、

「おい総悟!!今日悪いんだが、非番じゃなくなった。」
「なんででさぁ!!今日は神楽と……」
「あぁ、わかってる。だが、近藤さんが寝込んじまってな……。」
「……わかりやした。」

神楽には理由を話せばわかってくれるだろうか……??
「嫌だ」って言われるのを承知で電話をした。

プルルルルル……

「もしもし?」
「あ、神楽ですかい??」
〈どうしたネ?〉
「あの…ちぃと、急な仕事が入っちまってねぃ……。悪ぃんだが今日は行けそうにないんでさァ。」
〈そ…うか。しょうがないネ!!仕事が大事アル!また今度でいいから仕事頑張るヨロシ!じゃあな!〉

……意外とあっさりわかってくれて驚いた。
でも、これで仕事ができるわけだ。仕事をさっさと終わらせて神楽に会いに行こう。
俺は早速仕事に取り掛かった。
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「やぁっと終わった……。…さて……神楽んトコにでも行くかぁ。」

仕事が終わったころにはもう暗くなっていた。俺は、かねてから用意していた小さな箱を持ち屯所を出た。
しばらく歩いていると『万事屋銀ちゃん』の文字が見えてきた。

……電気がついているということはいるんだな……?

「おじゃましやぁーす。……旦那ぁ?神楽ぁ?」

いねーのかぁ……?
とりあえず中に入ってみた。
……………………あ。

「ねてんのか……?」

そこには寝息を立てて無防備に眠る神楽。

「神楽……神楽……神楽」
「誰アルカ……?今は何時ネ…?……!!総…悟……」
「神楽…。今日は、悪かったでさァ。」

その時に見た神楽の顔を見て驚いた。

「泣いてたんですかィ??…ってか、今も泣いてやすが…。」
「だっ…てぇ……総悟…今日は逢えないって……。」
「逢えないとは言ってやせん。」
「同じようなもんダロ!!」
「でも、泣いてたことは否定しないんですねぇ。」
「うぐっ……」

目は真っ赤。瞼もはれ、頬には涙の跡。相当泣いたのだろう。
……俺は何をしていたんだ。そう悔やんでいると……

「…否定は…しないアル…。……ていうか、誰のせいか考えろバカヤロォォォォ!!」

怒鳴られた。

「だから、悪かったって言ってんでさぁ!!」
「なんで、お前がキレるネ!!?わっけわかんないアル!!」
「悪ぃ。あんな大声出すつもりはなかったんでぃ……。」
「本当に悪いと思ってんなら、行動にあらわすヨロシ。」
「はぁー……。わかりやした。じゃあ……」

俺はそこで言葉を切って神楽を抱きしめた。

「これで満足かィ。」
「……まっ……まだまだ足りないアル!!」
「そうかィ。じゃあ、これでどうでィ。」

あの小さな箱箱を取り出して神楽に見せた。

「ん?何アルか?これ。」
「いいから、開けてみなせェ。」

今の俺の顔はきっと真っ赤だろう。

「お前……コレ……。」

予想通りに、驚いている神楽。

「おっ……俺と結婚してくだせぇ!!」
「私でいいアルか??」
「お前じゃなきゃ嫌でィ。」
「後悔しないカ…?ワタシ、夜兎アル。」

夜兎とか関係ねぇ。

「後悔なんてするわけねぇだろィ……。夜兎だろうが何だろうが関係ねぇ。俺には、神楽が必要なんでさァ。」

俺は神楽のことが好きだから。

「だから…結婚してくれねェかィ……?」
「……ハイ……。」

またお前のこと泣かせてしまうかもしれねーが、これからもよろしくおねがいしやす。
作品名:神楽’s Birthday another 作家名:のん