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ルック・湊(ルク主)

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護衛1



軍主がおかまになった。
ルックはある意味ドン引きでその光景を見ていた。

「って、ルック!なんか引いてるよね?」
「いや、普通引くだろう・・・?なんて格好してるのさ・・・。」

どう見ても女装してる。つか、何そのブカブカなドレス。・・・似合っていない。

「僕だってやりたくないさ!!でも最近、クスクスの街で、女の人ばかり狙う悪党が出るっていうからさー・・・。なんでも男がいると絶対出てこない卑怯な奴らなんだって!」

プンスカとでも聞こえてきそうな勢いで湊が憤ってる。

「で?君がわざわざ出向いて何するのさ。」
「決まってるじゃん!そんな悪党はこらしめないと!」
「・・・君、一応軍隊の主だって、分かってる?」

ルックが呆れたように言った。

「分かってるよ!でもそんなの、ほっとけないだろ!でも僕は男だから。で、仕方なく女の人の格好する事にしたんだよ。」
「・・・君が出向く必要性が感じられないけど・・・。で、その服はどうしたのさ。」
「これ?ビクトールさんに相談したら、持ってきてくれた。これ着て女装でもしろって。」
「・・・あんの熊っ。」

あきらかに適当に対応してる、というか楽しんでるとしか思えないビクトールの対応に、ルックはここにいない相手をにらんだ。

「?どうしたの、ルック?」
「・・・それ、似合ってないよ。逆に不自然だから。」
「え、そうなの!?じゃあどうしようかな、誰に借りよう・・・。」

困った、とばかりに湊はぶかぶかのドレスのすそをキュっと持った。ルックはため息をついて言った。

「別にドレスは着る必要、ないだろ。」
「え、じゃあ悪党が出てこないじゃん!」

ルックは何をバカ言ってるんだ、というような湊に軽くイラっとした。こんな子猿に小馬鹿にされるいわれはない。

「うるさいよ子猿。君は別にムリに女装しなくても、一見どっちか分からないから、大丈夫じゃない?何人か女性連れていけばいいだろ。」
「え、どっちか分からないって・・・ルック、大丈夫?」
「・・・ムカツク。」
「えー?うーん、一応ね、誰も連れていく気はないんだよね。」
「は?何言ってんの?まさか一人で行くって言うんじゃないだろうな?」
「・・・えっと・・・うん、まぁ・・・。っだ、だってね!?何があるか分からないのに、女の子なんて連れていけないじゃん!!」
「・・・少なくとも君の周りにいる子らは、何があってもしぶとく元気でいそうだけど・・・?」

軽くナナミやアイリ達を思い出したルックが言った。

「そ、そんな事ないよ!女の子は守ってあげないといけないんだって、じいちゃん、言ってたもの!」

あきらかに一見お前が守られろ、と言いたくなるような様子で湊が言った。
まあ、確かに力は強いけど・・・でもこの子は軍主。何かあってはいけない立場だって、なぜ分からないんだ。
そりゃあ、前の軍主は何があっても最後まで一人でも立っていそうな勢いではあったけど・・・色んな意味で。
またため息をついてから、ルックは口を開いた。

「じゃあ僕がついて行く。」
「だ、だめだよ!ルックは男だもん。悪党が出てこないよ。」
「だからと言って一人で行かせる訳にいかないだろ。」
「俺にいい考えがあるよ。」

そこに新たな声。絶対いい考えとは思えなさそうな人物。・・・シーナ・・・。

「いらない、聞かない、消えれば。」
「相変わらずだな、ルック。まぁ聞けって。確かに湊はいつもの格好でも大丈夫だと思うぜ?長い上着にスパッツだもんな。でもさールック、お前の格好はあきらかに男物の法衣だろ?ルックが女装すればいいんだよ。」
「切り裂・・・」
「ちょ、た、たんまたんま!!つかこんな場所で何おっかねぇ魔法使おうとしてんだよ!だって仕方ないだろ?お前は湊を一人で行かせたくない。まあそらそうだよな、いくら湊でも、一人は問題あると俺も思うぜ?だけど悪党は女相手しか出てこない。かといって湊は女の子は連れていきたくない。まあそらそうだよなー、俺だってそう思うぜ。とすれば、あとは一緒に行く奴が女装するしかねぇじゃん。」
「じゃあシーナ、君が行けばいい。」
「俺はまぁ綺麗な顔してるけど、やっぱ不自然だよ。タッパもあるしな。ルックならさほどデカくねぇし、顔ももちろん女顔だし・・・っておっと、魔法はよせって。なあ、湊、お前はどう思う?」

まるで虫けらを見るような目でルックが見てきた事は軽くスルーして、シーナは湊に聞いた。

「え、ぼ、僕?うーん、そりゃあルックがついてきてくれるのは嬉しいけど・・・でもなんかルック、嫌がってるよ?」
「当たり前だろ!?なんで僕がそんな格好しないといけない訳!?絶対、嫌だね!」



「この辺ぶらついてみようかな。・・・ルック、怒ってる・・・?」
「・・・別に・・・。さっさと探して・・・終わらせよう・・・。」

ていうか、誰にも見られたくない、さっさと終わらせて、なかったことにしたい。
結局湊とともにクスクスの街に来ているルックは切実にそう思った。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ