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ルック・湊(ルク主)

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日溜



今日も特に用はないが、フラフラと英雄様は歩いていた。
日が落ちたら久しぶりに熊と青いのを誘って飲みでもするか、などと思いながら。
ちなみにあの腐れ縁2人に対しては、ここに来るようになってからまもなく、存分に手合わせをしてあげていた。
おかげで数日は使いモノにならないだろうが、とルックに睨まれたが。
まあ、いいじゃない、ねえ。今のところ、敵さんも大した動きはないようだし。大方新しく皇王になった親友君が、とりあえずはその位置での公務などに追われているからだろうけど。
つかの間の平和ってとこかな。

そうしてフラフラと道場の裏手の木立らへんへ歩いていくと前方に人影が見えた。
おや、残念。ここは人気がない割に日当たりも適度で湖からの風の吹き抜けがまた気持ちのいい、快適な場所として愛用しているのに。
そう思いつつ目をこらすと、そこに見えたのは淡い髪色がさらさらと風に揺られている魔法使いだった。
石板を離れてこんなところで読書とは、珍しいなどと思いながら、そっと様子をうかがっていると、ルックがふと、視線を本から外した。
そして本を閉じて、いつもは冷めた風にしか向けない瞳を、とても優しげに下に向けた。
下には、気持ち良さそうにルックの膝で眠っている湊がいた。

なるほど、ね。
それにしてもルックがあんな表情、するとは、ね。
詩遠は相変わらず気配を消してそっと様子をうかがう。

「・・・ん・・・んぅ。」

すると、今までずっと寝てたのであろう、湊の寝ぼけた声が聞こえた。

「・・・あれぇ・・・僕、いつの間に・・・。」
「すごく気持ち良さそうだったよ。」
「あー。ごめんね、ルック。重くなかった?」

そう言いながら、湊は起き上がって、うーん、と伸びをした。
なんていうか、ほんとのどかな風景。ここって、ほんと、戦時中だっけ?
その時、湊が何やら企んでそうな笑みを見せた。

「・・・何。」
「んー?えへへ。」

そうしてルックの足に、手を伸ばした。

「っちょっ!!」
「あはー、やっぱり。」
「・・・やっぱり、だって?わざと今触ってきたって事、だよね?」
「えへ?でもルック、足、しびれてるならどかしてくれてよかったのに。」

湊がニヘラ、と笑いながら言うと、ルックはフン、と顔をそむける。
照れちゃって、ルック、可愛いねぇ、などと詩遠はひそかに笑いをこらえた。

「って、ちょっと、まだ触ろうとする気!?」
「だって、焦ったルックとか、珍しいじゃん。」
「・・・へえ。いい根性してるよね?まったく。」

ルックがうっすらと笑みを浮かべて何やら呟いた。すると淡い緑色の光がルックのしびれてる足を包む。

「あ、ずるい!」
「何がずるいんだよ。この僕にこんな事させて、分かってるんだろうね?湊。」

そう言いながら、ルックは湊を抱きしめる。
急に抱きしめられて、湊は顔を真っ赤にしていた。
いいなぁ、あの反応、などと思っていると、ルックが不意にこちらをジロリ、と睨んできた。

あ、バレてた。
気配、消してたのになー、もしかしたら風下だったとか?などと思っていると、ルックが詩遠にむかって、しっしっ、と追い払うように手を振ってきた。
おやおや、この俺を犬扱いとは、ね。
まあ、いいけど。邪魔してるのは俺のほうだろうし、ね。今は大人しく引っ込んであげる。まあ隙あらば、俺も湊といちゃいちゃ、させてもらうし?
などと思いながら、詩遠はニッコリ笑って、手をあげてから踵を返した。
背後ではルックがそんな詩遠を無視して、湊に顔を近づけているところだった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ