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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「元々、我々は君達、異世界の魔法少女などは、
信用していなかったのだよ。

 高町一等空尉や、八神はやて、
そして、ハラオウン家の連中は、別だったがね。

 正体不明の異星人に魔力を与えられた特殊能力者など、
胡散臭い事、この上ない!

 加えて、今回の鹿目まどか軍団の事件だ!

 信用してください、――と言う方が、
無理が有るのではないかね」
 男は、吐き捨てるような口調で、まくし立てた。

「だからこそ、私達は、ここに来たのです。

 協力して、共に戦うために、――」
 自分達の真意を理解してもらおうと、食い下がる、ほむら。

「そうだ、そうだ!
 もっと、言ってやれー!」
 頭に血が上ると、何を言っていいのか、
全然分からなくなる杏子は、――難しい話は全部、
ほむらとマミに、任せるつもりらしい。

「君らの助力など、無用だ!

 すでに、――鹿目まどかについては、本局より、
『クロス・アウト』の命令が、出ている!」

「クロス・アウト?」
 杏子は、ほむらに、意味を聞いてみた。

「『抹殺せよ』と言う意味よ、……」
 杏子に、答えるほむら。

「な?! なんだと!

 てめえら、本気か?

 本気で、まどかを、――――」
 中年男性を、睨みつける杏子。

「本気だとも。

 そして、信用の出来ない、
いや、危険な魔法少女は、ここで捕まるのだ」

「くそっ!
 こんな所で、足止めくらってる
場合じゃねえのに、…………」
 悔しがる、杏子だったが、武装局員達は、
良く訓練を積んでいるらしく、スキが、ない。

 その時、その一角の照明が落ち、――そのとたん、
黒い人影が、乱入した。

「なっ?!
 何者だっ?!」
 中年男が喚くものの、――黒い人影は、
まるで『日本』の忍者のように、
暗くなった狭い空間を跳びまわり、
武装局員達を1人ずつ、失神させていく。

 低い体勢から、局員のみぞおちに、
鋭いパンチ・振り返った中年男の首筋に
手刀を叩き込み気絶させる。

 壁を蹴って、三角跳びから、
至近距離の局員に、延髄蹴り。

 鍛えられた精鋭の局員達が、
全く反応すら出来ずに倒されていった。

 ――20人の武装局員を倒すのに、
15秒とかかっていない。

 黒い人影は、衣服についた埃を払うと、
ほむら達に向き直った。

 照明がついて、周囲が明るくなり、――

「お、お前は、……」

「アルフ?!」
 杏子と、ほむらは、知った顔を見て驚いた。

「よう!
 おまたせっ!」
 3人の前には、獣の耳と、しっぽを生やした
――20歳代くらいの外見の獣人の女性がいた。

 服装は、ザフィーラのものより、
やや軽装で女性的な、一見、『地球』の、
女性プロレスラーの衣装にも見える。

 この女性、――アルフは、フェイトの『使い魔』で、
――ミッドチルダ産の狼の子供を、素体として生み出された。

 ――もとは、狼だけあって、獣の俊敏な動きによる、
高速格闘戦も可能だが、――サポート系の魔法も得意であり、
バリア破壊や、ターゲットの拘束、転送魔法などが
使える。

 ――また、狼型の動物形態(ビースト・モード)、
子犬フォーム・美少女フォームなどにも変身可能である。

 最近は美少女フォームで、ハラオウン家の家事手伝いを
する事が、彼女の基本的な仕事となっていた。

「遅くなって、悪かったね、ほむら、杏子。

 おかあさんの、――リンディ提督の指示で、
あんた達を、迎えに来たんだ。」

「久しぶりね、アルフ。

 でも、最近あなたは、ハラオウン家で
お手伝いさんをしてたんでしょう。

 こんな、騒動に巻き込んで、ごめんなさいね」

 フェイトと、友人関係にあるほむらは、
アルフの事も前々から知っており、
今回の件について素直に詫びた。

「いいって、いいって!

 まあでも、あたしも、少女モードでの、
家事手伝いが長いせいか、
さっきも動きが鈍かったなー。

 現場に出てた時の、半分のスピードも出やしない。

 緊急時に備えて、今度、なのはに、
鍛えなおして、もらおうかな?」
 そんな、アルフの軽口に、――

「あ、あれで、半分未満かよ?!

 全力だと、一体、どんだけ速いんだ?」
 だが、そんな杏子の疑問に答えている時間は、
なかった。

「おっと、こうしてる場合じゃない!
 リンディ提督が待ってるんだ!

 皆、あたしに付いて来て!!」
 そう言うと、アルフは、走り出す。

 あわてて、その後を追って同じく、
ほむら達も走り出した。

 ――アルフを追って、ほむら達3人が走りこんだのは、
――次元艦の整備工場のような、場所だった。

 あちこちに、どんな働きをするのか、
分からない機械類が並んでいる。

 そこに、ほむら達が到達したのだが、案内役の
アルフの姿を、見失ってしまった。

「どこだよ?! アルフ!!」
 杏子が怒鳴ると、――

「こっちだ、こっち!!」
 見ると、工場の奥に、
エレベーターの入り口があり、
その前で、アルフが、手招きしている。

 エレベーターの中に、ほむら達が
全員入った後、――アルフが、
機械のスイッチを押すと、――ドアが閉まり、
『ゴウンッ』と言う起動音とともに、
――エレベーターは、上昇を開始した。

「んんっ?

 なんだか、傾いて上昇するエレベーターだなぁ?」

 杏子の言う通り、本局の人工重力の軸線とは、
かなりずれのある、斜めに上昇する、エレベーターだった。

 しばらくすると、――
また『ゴウンッ』と言う音とともに、
――エレベーターが停止して、ドアが開いた。

「こ、これは――――――?!」
 ほむら達の前に、現れたのは、――

◇ ◇ ◇

「レティ提督!

 『ビクトリー』に不穏な動きが有ります」

 レティの忠実な部下であるエルザが、報告に来た。

「不穏な動き? あの実験艦は、廃艦にしたのでは?」

「それが、――元乗組員が、続々と集結している模様です!」

「なんですって?!」

「ご覧ください」

 提督専用の執務室に、設置された大型ディスプレイに、
次元艦ドック(艦船の建造・修理・検査等をする為の施設)の
監視装置の映像が、映し出された。
 
 『ビクトリー』と呼ばれた次元艦に、次々と乗り込む
リンディの部下達。
 その中に、――――――
「ん? 

 あれは、第137管理外世界の『魔法少女』?!

 なぜ彼女達が?!」
 ――ディスプレイに映っている、ほむら達の姿。――

 彼女達は、巨大な次元艦の威容に、
びっくりしているように見える。

「直ちに、本局から、退艦命令を出します!」
 そう言って、部屋を出て行こうとするエルザを、
レティは、呼び止め、――
「待ちなさい、エルザ!」

「は?」

「言葉で言っても、リンディは、素直に言うことを
聞く人物ではないわ」

「では、どうします?」

「そうね、……」
 
 レティは、少し考え込むと、
意地の悪い笑みを浮かべ、………………

◇ ◇ ◇

「リンディ提督!」

「来たわね!

 私の『次元戦艦ビクトリー』へようこそ!!」