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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「心配すんな!

 あたしの槍で、ティロ・フィナーレを
防御して、その反動で、すっ飛んで行く!」

 杏子は、どうやら、本気のようだ。
 そんな杏子に、マミは言葉を荒げて、反対する。

「バカ!! 
 どう考えたって、耐えられる、訳がない。
 暁美さんは、無事かもしれないけど、
あなたは、……………… ??? ――!!!」
 マミは、息を呑んだ。

 杏子の考えに、気づいたからだ。
 杏子は、自分がどうなってもいいから、
ほむらを、行かせる気なのだ。

「杏子? あなた、ひょっとして、
自分のせいで、追跡開始が、遅れたからって
責任を取るつもりなんじゃ?」
 杏子に問いかけるほむら。

「そんなんじゃねえよ!
 い、いや、それもあるけど。

 あたしのせいで、スタートが遅くなったのは、
事実だし、…………

 もともと、今回の件は、あたしが、
言い出した事だし、何よりも、
ほむらには、まどかの事を、
あきらめて欲しくねえんだよ」

「杏子、…………あなた……」
 ほむらは、杏子の顔をじっと見つめた。

「2人とも、そんな顔すんなよ。

 まだ、死ぬと、決まった訳じゃねえだろ!

 さあ! 

 早くしねえと、また、逃げられちまうぜ!」
 覚悟を決めている、杏子に、
ほむらも、マミも、言うべき言葉が
見当たらない。

「杏子ちゃんの、言う通りに、してみよう」
 話を聞いていた、なのはが、
突然、口を開いた。

「なのはさん?!」
 ほむらは、何かの、聞き違いだと思った。

「一体、ほむらちゃんは、
なんのために、ここまで、来たんだっけ?

 ほむらちゃんと、マミさんの、気持ちも分かるけど、
杏子ちゃんの、言う事をやらずに、
今ここであきらめたら、たぶん一生後悔するよ」

 なのはは、――レイジング・ハートを
操作して、必死に、リーダー格まどかを
追跡しながら、――
ほむらに向かって、静かにそう言った。

「―― ……分かり、……ました」
 ほむらは、そう言うと、
杏子の考えた通り、彼女の背中に、
おぶさった。

「覚悟は、いいのね?」
 マミも、覚悟を決めたらしく、
ティロ・フィナーレ用の
大型魔銃を構える。

「ああ、やってくれ!!」
 連結槍で、防御の形を造った、杏子は
笑って、そう言った。

「いくわよ!

 ティロ・フィナ――――レ!!」

 マミの大型魔銃から発射された
砲撃は、杏子の構えた、連結槍に
クリーン・ヒットして、――
杏子の狙い通り、ほむらを
背負った杏子の体を、
前方へと、すごい、勢いで
撃ち出した。

「わははははははははははははは!!

 やけになった、人間が何をやるか、
 見てろよ――――!!!」
 大笑いしながら、ぶっ飛んでいく、
杏子。

「なんで、そんな、楽しそうなのよ!!!
 杏子?!」
 杏子の背中に、しがみついている
ほむらは、生きた心地がしなかった。

 ――しかし、リーダー格まどかへと
たどり着く前に、2人のスピードが
落ち始めてしまった。

 ――本来、大気の無い宇宙では、
スピードは、落ちないはずだったが、
まどか軍団の攻撃を防御しているうちに、
反動で、ブレーキが、かかってしまったのだ。

「さあ、ここらで、――
 もう一丁――――!!」

「きゃああああ――――――?!!」
 いきなり、杏子が、連結槍の
仕組みを使ってほむらを、
前方へと、突き飛ばして、
加速させたのだ!
 〔いわゆる、3段ロケット?〕
 〔フェイト・マミ・杏子のチカラで、
ほむらを、発射!〕

「そのまんま、行っけ――――――!!

 ほむら――!!」

 もう、ムチャクチャだったが、
ほむらは、ぐんぐん加速して、――

 リーダー格まどかへと、接近していった。

「まどか! 待って! まどか!!」
 ほむらが、リーダー格まどかに
声をかけるが、彼女は、
ひたすら、逃げるだけだった。

「カートリッジ・ロード!
 最大加速!」
 ほむらは、新装備SGチャージャーを
操作して、自分のソウル・ジェムに、
魔力をフル・チャージして、
可能な限りスピードを上げた。

 ――ある程度、接近したところで、
やっと、リーダー格まどかは、
自分を追尾している者の存在に気づいたようだ。

 まだ、高速飛翔しながら、後ろを
振り返るまどか。

 ――だが、その顔つきは、
友人を見つめる、あのやさしいまどかでは、
なかった。

 ――敵を凝視するその目は、
怒りと、殺意に、満ちて!――

 いきなり、Uターンして、
ほむらに、向かってくる、リーダー格まどか!

 その手には、『さやかの剣』を
さらに、拡大強化した大型魔力刀が、
握られていた。

「邪魔するヤツは、――――!!!」
 リーダー格まどかは、相手が、
誰であるとか、認識出来ていないようだ。

 ――自分を邪魔する者は、――
全てが敵であり、全てを滅ぼすつもりなのだ。

「まどかっ――!

 ………………!!!」
 ほむらは、まどかの様子に気付き、
一瞬躊躇したが、――
弓を変形させた2本の魔力刀を
連結させた、大型魔力刀を
その手ににぎる。

 ――そして、
まどかと、ほむらは、武器を手にした
状態のまま、光速に達し、
急速接近していく!

「はあああああああ――――ッ!!!」

「うあああああああああ――ッ!!!」

 ――2人が、激突する刹那(せつな)――

「ほむら……ちゃん?――」

「!! ―― まどか!」

 接触する、ほんの数秒前になって、
やっと、まどかは、相手が誰なのか、
理解した。――それに、気付くほむら。

 ――だが、……もう、遅い!

 ――高い殺傷力を秘めた、凶器を手にして、

 ――光の速度で接近する2人の、
激突を防ぐには、もう時間が無かったのである。