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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「「ユニゾン・――インッ!」」

 リインが、はやての体の中に飛び込み、
融合し――はやての、瞳と、髪の毛の
色が変化して、その魔力が増大する。

 これが、融合騎――
人格型ユニゾン・デバイスである
2代目リインフォースの特殊能力
――ユニゾン(融合)である。

 ユニゾンは相性のいい特定の相手でないと、
失敗する事も有るし、人によっては
あまり能力を増幅しきれないが、――
リインは、はやてのリンカーコア
(魔導師の体内の魔力器官)から
生み出された事もあり、
……はやてや、ヴォルケンリッターの4人と
リインの相性は抜群である。

「皆、注意して!
 まどか軍団は、恐らく最初から、
消滅魔法を使ってくる!」

 なのはの、警告通り、
まどか軍団が、消滅魔法の発動準備を
し始める。

 リーダー格の鹿目まどかが、
腕を上方に振り上げると、
『生命の樹』の図に似た巨大な魔法陣が
宇宙空間に出現した。

 そして、まどか軍団は、ほぼ全員が
その手に魔法の弓矢を構え、
『生命の樹』の魔法陣に狙いをつける。

「天使カマエルよ。

 我が敵に神の愛と裁きを与えよ。

 ゲブラー・ブラスト!」

 リーダー格まどかが、魔法の詠唱を行うと、
まどか軍団は魔法の矢を、
『生命の樹』の魔法陣に向けて発射した。

 魔法の矢は、『生命の樹』のやや左側に
着弾し、直後『生命の樹』の魔法陣は
ピンク色に輝きだした。

 それを確認したなのは達は、一斉に回避行動に入る。

( ――1……2……3―― )

 回避しながら、なのは達は頭の中で、
秒数をカウントする。――3秒後、
巨大魔法陣からピンク色のレーザー光線のような
魔法弾が連続で撃ちだされた。

 この消滅魔法弾を、ぎりぎりで回避に成功した
なのは達が反転し、反撃を開始する。

「クラウソラス!」

 はやての、シュベルトクロイツ
(はやて専用の非人格型アームドデバイス)から
発射されたビームのような白い砲撃魔法が
まどか軍団へと直進する。

 はやての、砲撃魔法は、巨大な魔力爆発を起こし、
白い球状の光が、数百人の鹿目まどかを飲み込んでいく。

「いくよ! レイジングハート!」

〔オーライト! スタンバイ! ロード・カートリッジ!〕

 なのはが、相棒を手に突貫する。
 ――――そして、なのはがレイジングハートを
まどか軍団の密集ポイントに向ける。

「ストライク・スターズッッ!!

 ファイヤ――――――――ッ!!!」

 強力な砲撃魔法と高速誘導弾のコンボ技が
まどか軍団をことごとく、なぎ倒していった。

 なのはと、ほぼ同時にフェイトも砲撃魔法を撃つ。

「トライデント  ―――― 」

 フェイトが左腕で胸元に魔力をためるような、
体勢をとると、バルディッシュは魔力
カートリッジを2発ロードし、
――フェイトの足元と、前方に、
ミッド式魔法陣が現れる。
 ――フェイトの体と、バルディッシュから
電流の放電が、稲光のように放射されていた。

「……  スマッシャ――――――――!!!」

 フェイトが左腕を前方に向けて伸ばすと、
その左手から金色の砲撃が撃ちだされ
――直後2本の砲撃も発射され、
――合計3本の金色の光の矢が、
まどか軍団を焼き払っていく。

 他の魔導師部隊も、それぞれ善戦していた。

「いけるで!

 シグナム達の、準備完了まで、あと45分!

 なんとしても、まどか軍団を、ここで足止めするんや!」

 はやてが、白熱していく戦場で叫んだ。

◇ ◇ ◇

 その頃、惑星の地表では、
ヴォルケンリッターの4人と管理局局員達が
住民の避難誘導を行っていた。

「急げ! 結界発動時刻まで、余裕がないぞ!」

「はい! 避難急がせます、シグナム一等空尉!」

 局員に指示を出すシグナム。

「なあ、シグナム。
 はやてや、なのは達、大丈夫かな?」

 ヴィータが心配そうな声で話しかける。

「絶対大丈夫だ! 信じろ!
 余計な心配をする暇が有ったら、体を動かせ!」

「わ――てるよ!(分かってるよ!)」

 ヴィータが持ち場に戻ると、入れ替わりに
シャマルがシグナムの所に走ってきた。

「どうだ、シャマル?」

「エリアFから、Lまで避難完了したわ」

「そうか。意外と早かったな」

「ええ。
 それにしても……」

「やはり、お前も、気がついていたか?」

 シグナムは、確認するように聞いた。

 シャマルは、一度深く頷いてから、――
「惑星規模の避難なんてそうそう有る事じゃないわ。
 通常の事故や災害に対する避難訓練をいくら実施していたと
しても――――この星の住民の避難の仕方は
あまりにスムーズ過ぎる」

「私も、最初からその点に違和感を感じていた。
 普通ならば程度の差こそあれ、パニックが起きても
おかしくない状況だからな」

「実はそのことで、この星の『魔女』のおばあさん、から
興味深い話を聞いたわ」

「その話とは?」

 真相にせまる話に、心なしか緊張するシグナム。

「この星にはある種の『予言』が伝わっていて、
それは――
 いつか、この星に『全ての魔女の天敵』が、現れる。
 この星に住む者達はそれに備えよ」

 昔話の語り手のような口調でシャマルが
解説する。

「なんだと?! それでは……」

「鹿目まどか軍団の出現を予知していた何者かが
過去に存在していた、と言う事ね」

「……まさか」

「シグナム?」

「……いや、なんでもない。
 シャマルは、作業に戻ってくれ。
 もうあまり時間がない」

「ええ」

 シャマルは、急ぎ足で担当地域に戻っていった。

 そのシャマルの後姿を眺めながら、
シグナムは独り言のように呟いた。

「まさか な……」