【どうぶつの森】さくら珈琲
12.亀万年
「良い天気じゃのう、さくら。」
村長のコトブキさんが散歩をしていた。コトブキさんは、この村が出来たときからずっと村長をやっている亀のおじいさんだ。毎日のように、村の見回りついでに散歩をしている。
しかし、あらかじめ言っておくけど今日は曇りだ。しかも、今にも雨が降りそうな。わたしは空を見ながら、あいまいに返事をする。
―――そう、ですかね……。
「ところで、オマエの尊敬している人物を名乗れ!」
この質問、もう17回目。いや、18回目かも。10回を超えたあたりからまじめに数えるのをやめてしまった。
―――おかあさ……
「答えなくてもよくわかっとる。愚かなことはやめなさい」
そりゃ18回も聞けばね。
「ところで、こんな暑い日は甘納豆が食いたいのう」
―――うーん、わたしはちょっとそういう気分じゃないですね……
「さくらは美味いかのう」
―――やめてください。
「フェッフェッフェ。大丈夫じゃ。ワシは甘納豆しか食わんと甲に誓ったんじゃ」
亀は万年というけれど、
50歳の間若くて
残りの9950年間年寄りなのはイヤだなぁ……と、思う日なのでした。
作品名:【どうぶつの森】さくら珈琲 作家名:夕暮本舗