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次元世界――。

それは、次元空間に点在する一つ一つの世界の事である。

高度に発展した世界。
古代から文明を変えない世界。
文明が存在しない世界。

崩壊した世界。

次元世界には、人もいれば動物もいる。

世界の文明は違えども、それぞれの環境で伸び伸びと――幸せに暮らしている。

しかし、それを脅かす者もいる。

その世界間だけで解決出来れば良いが、どうにもならない事もある。

世界と世界との確執。
世界同士の戦争。
密輸、乱獲問題。

そして、最も各世界で問題になっている事項――。

遺失物――『ロストロギア』の乱用である。

『ロストロギア』――古代に何らかの目的で作られた産物。その形は多種多様。主に魔法によって作られているが、それ以外の物も存在する。

多大な力を持つロストロギアは、幼い子でさえも扱える危険な代物である。

それ故に暴発する事もあり、威力は世界を壊滅させる程であると伝えられている。

それら全てを管理、統制、保守する機関がある。

その名は――
『時空管理局』

約１５０年前に発足し、現在のシステムに固定されたのが、７６年前である。

武力は魔法。物理的な兵器――質量兵器に頼らない社会を作る為、比較的クリーンな魔法を取り入れる事で実現した。

次元空間という世界の狭間に存在する巨大コロニー――
『本局』
第１世界、ミッドチルダを基盤として設立された――
『地上本部』

二つの支部によって管理局は世界の安寧を図っている。

だが、事件もあった。

ロストロギアであるジュエルシードを巡っての――
『ＰＴ(略―プレシア＝テスタロッサ)事件』
同じく闇の書による――
『闇の書事件』

そして、管理局至上未曾有の事件となった――
『ＪＳ(略―ジェイル＝スカリエッティ)事件』

一年前に起こった出来事だったが、現在は爪痕も消えかけていて、いつもの町の活気を取り戻していた。

そのＪＳ事件で活躍した部隊が存在した。

古代遺物管理部――
『機動六課』

ロストロギアを専門とした一から五まである中の、新たに設立された部隊の一つである。

若い将校によって設立された機動六課は、前文の通りロストロギアの保守管理が目的だが、それは表向きで、ある予言を危惧して暫定的に作られた部隊だった。