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ちょ~短編 スマイルプリキュア! ─はなさかむすめ─

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エピローグ


  
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意中の子の大事にしている本にはね、魔法が宿るの。

その魔法の力と本の持ち主の気持ちは気付かずに直結してるらしいのよ。

それでね。どんな紙切れでもいい。この場合は「しおり」がいいわ。

自分の名前を書いて、星空に向かって願う事で自分の分身が出来上がるの。

そこで、本の魔法の力に自分の分身を取り込ませる事で、持ち主の気持ちに貴方が存在する。

つまり、意中の子と両想いになれるっておまじないよ。

簡単に言えばその本に分身である「しおり」をはさんでおけばいいって事。

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おまじないの正しくは「意中の子」という概念は無いのです。
大事にしている本には持ち主の魔力が宿り、そこに分身を込める。

ふみえちゃんはそれを知っていて、としはる君に話をしました。
つまり、ふみえちゃん自身が大事にしている本の魔力に、としはる君の分身を込めさせたのです。
効力の方向は違くても、分身の紙が書いた本人のものであれば、自らの本に閉じても効果があるらしいです。


ふみえちゃんは、としはる君の事が好きでした。
でも、その彼が自分の親友に好意が傾いた事にショックを受けていたのです。

それが目に見えて確信的になっていた去年の事、おまじないの話をしました。
それこそ、としはる君がみゆきちゃんが好きだとい気持ちを利用しての事だったりします。

正直なところ、実行するかは五分五分で期待もしてなかった程度の。
そもそも単なるおまじないに過ぎません。


陰険で悪質な手段だと、腹を割って話したふみえちゃんは大粒の涙を零しました。
そんな ふみえちゃんを としはる君は陰険だの何のと思うどころか、純粋に感じられました。

物静かなふみえちゃんの寂しがり屋だったり、純心の脆さという一面を知ったとしはる君。

みゆきちゃんに「よろしくね」なんて言われたからではありません。
彼女が数年サポートしてきたふみえちゃんの心の支えに、自分がなりたいと心から思えたのでした。


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数ヵ月後。

春の日差しが穏やかで、その温かさからふみえちゃんは親友を想って教室の窓から空を見ます。

「みゆき、いまごろどうしてるかなぁー?」
「決まってるだろ。周囲のみんなにウルトラハッピーをばら撒いてるさ」

そばにいたとしはる君は、簡単な算数の問題に解答するような口調で当たり前に言葉を返しました。


「うふふっ。とんだ " はなさかむすめ" よね」
「まったくだ」


田牧としはる君と、保坂ふみえちゃんの心には今も"幸せ"という花が撒かれていました。

そして、同時刻に保坂宅に届けられた一通の手紙があります。


星空みゆきちゃんと、その仲の良さそうな友達4人の笑顔と一緒の写真も同封されてたようです。

ほらね。としはる君の言ったとおりでしょ?

めでたし、めでたし。【完】