二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ドラゴンクエスト・アナザー

INDEX|21ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

第十七話 「復活」


 カイとアレフは懸命に手掛かりを探していたが、未だに何もつかめていなかった。
「次はどこへ行けばいいんだ」
「残り時間を考えると、洞窟や塔を探している暇はない。ルーラで行けるところを優先するしかないだろう」
「街や村ってことか。そう言えば、ハムルの村にあった開かずの蔵にあるということはないか?」
「たとえあそこにあったとしても、蔵を開けられない以上はないのと一緒だ。あそこは除外しよう」
「くそー、後はしらみつぶしか! 間に合うのか!?」
そのうち空が白んできた。
「夜が明けたか」
「遅くとも昼までには見つけないとセーラが危ないぞ」

 朝になったので、二人はエルフの里に向かった。
そして女王に会い、青い指輪のことを聞いてみる。
「赤い指輪と青い指輪のことは知っています。しかし私は青い指輪が勇者の持ち物であったということしか聞いたことがありません。おそらく他の勇者の装備と一緒に保管されていたのではないかと思います」
二人は女王に礼を言いその場を去ろうとすると女王に呼び止められた。
「お待ちなさい。以前エルフのルビーを返していただいたときに、お礼をしていませんでしたね。これをお持ちなさい」
エルフの女王から賢者の石を渡された。
アレフは賢者の石を手に入れた。
そして二人はエルフの里を後にした。

「天空装備があった街は四つしかないが、どこから行くか」
「それなんだが、天空の剣があったアルメリアの倉庫って、オレたち中を確認してないよな」
「確かにそうだな。忘れていた」
「あのとき魔物は天空の剣しか眼中になかった。もしかしたら他に何かあるかもしれない」
「よし、あたってみよう」
二人はルーラでアルメリアに飛んだ。
アルメリアに着き天空の剣の倉庫に行くが、扉は閉まっている。
カイとアレフは倉庫の扉をこじ開け、中に入って行った。
二人で中を探していると、カイが叫んだ。
「おい! あったぞ宝箱が!!」
「おお、開けてみよう!」

 中には指輪が入っていた。
「これが青い指輪か? 光っていないからよくわからんが」
「一緒に手紙が入っている」
カイは手紙を読み始める。
「『聖なる指輪は聖なる力の源なり。聖なる力尽きしときその力とならん』 なんだこりゃ」
「とにかくセーラのところへ戻ろう」
二人はルーラでミラへ向かった。

 宿屋に着くと、カイはマリアに手紙を見せた。
「どう思う?」
「これはやっぱりあたしが指輪をはめて、回復魔法を使うんじゃないかしら」
「そう思うよな」
「じゃあやってみる」
マリアは指輪をはめてみたが、特に変化はない。
次にベホマを唱えるが、何も起こらなかった。
「やっぱり青い珠には関係ないアイテムなのかなあ」
「しかしもうこれぐらいしか手掛かりがないぞ」
「カイ、エルフの女王は指輪のことを、勇者の装備と言っていなかったか?」
「そういえばそうだった!」
マリアはセーラの指に指輪をはめてみた。
指輪がセーラの指のサイズぴったりになる。
「どうやら当たりだな」
マリアは再度ベホマを唱えると、指輪と青い珠が光り始める。
セーラは目を覚ました。
「セーラ!!」
マリアがセーラに抱きつく。
「マリア、どうしたの?」
セーラの無邪気さが、今の三人には限りなくうれしかった。

 セーラたちは対バルガの作戦を考えていた。
しかしどう考えても、あの灼熱の炎を何とかしない限り勝ち目はない。
「レベルアップするしかないだろうな」
「わかるけどそんな時間はないんじゃないか」
「カイ、短時間でレベルアップする方法があるよ」
「あ!はぐれメタル!」
一行ははぐれメタル狩りに出かけた。
何回も逃げられながらも、聖水、毒針、毒蛾のナイフなどを使って倒していく。
気がつくと目標よりも大幅にレベルアップしていた。
いよいよバルガと決着をつけるときが来た。
「待ってろよ、バルガ」
四人はエルマールへ飛んでいった。

 エルマールに着くと、どこからか見ていたのかバルガがやってきた。
「やっと天空の剣を渡す気になったか」
「誰があなたなんかに!」
「おまえたちがどうなろうとオレ様の知ったことじゃないが、天空の剣は必ずいただく。行くぞ!」

 前回同様バルガが灼熱の炎をはく。
マリアはフバーハを唱えた。
セーラたちを薄い光の衣が包み込み、灼熱の炎のダメージが大きく軽減される。
カイがメラゾーマを放つと、巨大な火の玉がバルガを襲う。
さらにセーラとアレフが剣でダメージを与える。
「き、きさまらこの短時間でレベルアップしたのか! だがこのままやられるオレ様ではないわ!」
バルガは仲間を呼んだ。
ベルザブルが三匹現れた。
カイはイオナズンでベルザブルを殲滅しようとしたが、ベルザブルはHPが少なくなるとメガザルを唱え、命と引き換えに仲間を全回復してしまう。
さらに、苦労してベルザブルを倒すとバルガはまたベルザブルを呼ぶ。
このままではこちらが消耗するだけである。
四人は短期決戦にでた。

 セーラのギガデインとカイのイオナズンで、バルガにダメージを与えながら、メガザルを使われないうちにベルザブルを倒す。
そしてマリアのバギクロスとアレフの剣で、バルガにさらにダメージを与える。
バルガは再度ベルザブルを呼ぶが、結果は同じであった。

「きさまらよくもここまで追い詰めてくれたな。だが最後に笑うのはこのオレ様だ!」
バルガは冷たく輝く息をはいた。
四人は灼熱の炎以上のダメージを負う。
マリアはベホマラーを唱えるが、回復が追いつかない。
このままでは前回の二の舞である。
アレフはエルフの女王にもらった賢者の石を手にとり使ってみた。
四人のHPが回復していく。
「アレフ、これは?」
「賢者の石だ。それよりやつを!」
四人は再びバルガに攻撃を集中した。

 セーラがギガデインを撃つと、バルガは両膝を地面についた。
「マリア、カイ、アレフ! とどめを!」
三人はそれぞれ魔法と剣でバルガを攻撃した。
バルガが地面に崩れ落ちる。
「きさまをあのとき……殺すべき……だった……」
バルガを倒した!
「親父ー、やったぞー!」
「おじいさま……」
「父さん、敵は取ったからな」
みんな涙を流している。
セーラももらい涙を浮かべた。

 そのとき、ギルドラスの声が聞こえてきた。
「バルガを倒したぐらいでいい気になるなよ。天空装備は必ずワシがいただくからな。首を洗って待っていろ。フハハハハ」

 いよいよ、その存在を現し始めたギルドラス。それはそのまま敵の本拠地が近づいていることを意味する。
セーラはギルドラスの声が聞こえてきた方角をしばし見つめるのであった。