二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

とある転生者の話(第二部)

INDEX|16ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

第十七話 答えあわせ



side:シルバー
塔を抜けた時には、日はかなり暮れていた。
坊主が多かったから時間がかなりたっていたのだろう。
そう物思いに耽っていた。
「……あのさ」
アユムが呟く。
「どうした?」
「……知ってるかもしれないけど、今の格好、わかってる?」

side:アユム

実はまだ抱き寄せられたままなんですよね〜。
何故かシルバーは全く気付く様子はない。
……にしても身長、高いな。
ボクは女の子だから仕方ないにしても、すっぽり入るほどなのか。
なんて羨ま…って違う!
「……っ!!?」
どうやら状況を認識したらしい。
ものすごいスピードで離れた。…真っ赤になりながら。
「ち、ちがっ、これは!穴抜けの紐を使うのに!!」
……なんてテンプレ解答。
「シルバーってさ、ラッキースケベ特性ありそうだよね」
「ない!!絶対にない!!」
「ついでに好きな子をいじめて泣かせるタイプだよね」
「う"っ…か…関係ないだろっ!!」
そこは否定しろよ。
「素材はいいんだからさ、後は中身。ちゃんと優しくしなよ?」
「余計なお世話だ!何でお前に心配されなきゃならないんだよ!!」
前世でお前みたいな感じで接してる奴でモテた試しがないんだよ!二次元だけだ!!
……なんて言えない…。

ポケセンの部屋に戻った。
さて、シルバーはどれほどわかってるのかな?
「さっきのバトルでボクが指令した技、ポケモンが自分で使った技も含めて全部言える?」
「命令した技は…剣の舞と葉っぱカッター、チコリータが最後使ったのは体当たり…か?」
やはり、足りない。
「残念、満点には遠いかな。
正解は高速移動、剣の舞、バトンタッチ、葉っぱカッター、体当たり。」
「高速移動!?…そうか剣の舞の時!だから技が当たらなかったのか!!
…だがバトンタッチっていうのは技なのか?」
飲み込みは早い、これなら打倒ヒビキも可能かも。
「そう。バトンタッチは能力変化ごと交代先に移す補助技。」
「だからチコリータがあんなにも高火力超加速だったのか…。
だが能力変化ごと交代するのならマイナス効果も交代先に移す可能性もないか?」
「良いところに気づいたね。実際そうなんだよ。
ただ、身代わりをしたまま交代できる唯一の技と言ってもいい。」
シルバーは少し納得してない顔をしている。
「チコリータの火力の理由はわかった。
だが、超加速な理由にしては足りない気がする。
チコリータはそこまでの速さはない。まして姿が見えないほどの速さは無理だ。」
「あぁ、それに関しては特殊だから…【このチコリータが早い】ってだけ。」
「…なんかあるのか?」
「博士曰く【突然変異】らしいよ?」
唖然とされた。気持ちはわかるけどね。

その後、ミニポケモン講座的な事をする事にした。
内容は【ポケモンの基礎能力】。
前世の世界で当たり前だった知識の一つ。
こちらの世界で、スクールでは習わなかった。
更に両親に確認したのだが、そんな発想すらなかったと言われた。
つまり前世よりポケモンに近いが能力を使いこなせていないのだ。
ボクはシルバーに時間をかけて基礎能力について話した。

side:シルバー
こいつは天才だ。
オレと同じ年であるのにも関わらず、大人、いやどんな研究者でも知らないような事をペラペラと話すのだ。
さらに、オレの疑問にも丁寧に答えやがる。
……こいつは才能の塊だ。
世界中の悪の組織の、いや、世界中の研究者のターゲットになりかねない。
そんな知識を、何故オレに教えるのか?
それを聞いたら、キョトンとして言ったのだ。

「シルバーはボクの友達じゃん」
「はぁ!?友達!?」
「うん。…違うの?」

正直わからない。
友達と呼べるほど知ってる訳じゃない。
付き合いだって昨日会ったばかりだ。
印象もきっと悪い。
それを…友達と呼ぶのか…?
「まぁ、シルバーが否定するなら構わないよ?
ボクの中ではシルバーは友達だから。」
「そういうものなのか?」
「ボクはそうだけど。人の意思は尊重するよ?
だからシルバーが嫌なら友達って公言はしない。」
……変な奴だ。

その後、夜までオレの疑問点に、時折解説や事例を使いながら答えていた。
こいつの知識でオレが強くなるのなら、とことん利用してやる。
誰よりも、ヒビキのも、親父にも負けないくらい強くなるんだ。
こいつを利用して、な。

何故か、心臓がズキリと痛んだ気がした。