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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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始まりの説明・1



俺達が学園のすぐ外の道路にまで駆け出した瞬間、
いきなり目の前にミニバンが滑り込んで来た。

まさかまたあの連中が襲って来たのか!?と俺達が身構えると
スモークが張ってあるドアグラスが開き
そこには見た事のある胡散臭い顔があった。

「にゃーん。これはこれは鷹やん。そして隣人部の諸君といった所かにゃー?
 皆さんお揃いで急いでどこへおでかけだぜよ?」
相変わらずグラサンを掛けてニヤニヤしながら、冷やかしてきた。
だが、グラサン越しに見える目が妙に鋭い。
「・・・うるせえ!今はアンタに構っているヒマはねえんだよ!じゃあな!」
俺達は車を避けて、道の先にあるモノレール乗り場に向かおうとして
「ちょっと待つんだ鷹やん!志熊理科の行方を追ってるんだろう?」
「え?何だって!?」俺は耳を疑った。
「何でお前が理科の事を知ってるんだ・・・?」俺はミニバンの中を覗き込むと
そこに上条やインデックス、そして他にも知らない男女が座っているのが見えた。
「まあ積もる話もあるから、とりあえずみんな車に乗ると良いぜよ。
 ・・・まずは例の研究所に行こうとしたんじゃないかにゃー?
 俺達も目的地は同じだぜよ。11人乗りだからあと5人乗れるぜよ」



「まず最初にお互いの自己紹介からだ。俺は土御門元春だにゃー」
「上条だ、羽瀬川とは買い物仲間っつー所かな?」
「インデックスだよ!とうまとは同棲関係むぐぐっ「まあ只の居候だ」」
上条がインデックスの口を慌てて塞いだ。
そういえば二人の本当の関係は俺も知らないんだが。
「俺は建宮齋字。俺はとある団体の代表なのよな」
そう名乗る男は、最近付けられたようだが顔を縦に切ったような大きな傷があり
ダボダボの服を着ているが首にはなぜか扇風機を付けていた。

「私はレイヴィニア=バードウェイだ。私も某団体の代表と言った所かな。
 この車を運転しているのはマーク=スペースといって私の部下だ」
彼女は一見、12歳くらいの白人少女のようだが妙に大人びている。
土御門やインデックスといい、何だか異常な風体の連中ぞろいだ。
まあ俺達も執事服姿の幸村やゴスロリの小鳩も居るし、人の事は言えない。
このミニバンの中を他の誰かが覗いたら何の集団だと思うだろうか。



「それで、理科は何で拉致られなきゃいけねーんだよ。
 そもそもアイツらは何者なんだ?理科はどこに連れてかれたんだ?」
一通り自己紹介が済むと、俺は溢れ出る疑問を口にせずにはいられなかった。
「まあ待てよ鷹やん・・・まず順を追って話した方がいいだろう」
土御門はいつしか真面目な口調になっていた。
「最初に理科の能力に付いてだが、
 心霊召還(ガイストコーリング)だってのは知ってるな?」
隣人部の全員がうなずく。

「心霊召還というのは知っての通り、文字通り幽霊を召還するわけだ。
 正確にはAIM拡散力場の残滓を拾い上げて具体化する能力だ。
 AIM拡散力場の残滓、といっても実際はその所有者の思念も残っているから
 応答性は高い。すなわち召還した幽霊との会話も可能だ。
 で、理科の能力はどんな幽霊でも呼び出せるという事は・・・
 今まで召還出来なかったような
 古くて強力な幽霊も召還できるという事でもある。
 そこで、理科の能力に目を付けた連中が居たわけさ。
 ・・・実は、理科は小さい時から目を付けられていた。
 彼女は原石の能力者として、既に幼少期から
 周囲の大人に気味悪がられていたという。
 彼女を利用したい組織なり結社なりが現れるのも時間の問題だったのさ。
 そこで、”彼女を利用されたくない組織”が彼女の性向を変えさせたわけだ。
 具体的には、ガチガチのオカルト・能力否定主義者にしてしまう、
 という風にな」
なるほど、道理で理科はあれ程かたくなに能力を否定していたわけだ。
「おい、なぜお前が理科の過去をそんなに知っているのだ?」
夜空が土御門を訝しげに睨みつけた。
「それについては俺から話させてもらうのよな」
建宮が顎をさすりながら話しだす。



「我らの所属する団体は天草式十字凄教・・・歴史の勉強でも習ったと思うが
 昔はキリシタンとも呼ばれた十字教徒の末裔なのよな。
 我らは昔から日本の社会に潜み、隠れ、ひっそりと生きてきた・・・
 そのお陰で社会の暗部に通じるのは自明だったという訳よな。
 そして日本を揺るがすとんでもない大仕掛けが、この日本には幾つも仕掛けられ
 殆どが起動されずに残っているわけなのよ。それを起動しないように
 監視するのも我らの仕事なのよな。
 ・・・理科の能力は、その大仕掛けを起動させる鍵の役割を果たす可能性がある。
 だからこそ、志熊理科はあえて能力やオカルトから遠ざけねばならなかったのよ。
 そして我らは、彼女がまだ物心付いた時より密かに干渉してきた」

俺は、いやこの場に居る隣人部全員が息を呑んだだろう。
理科にそんな過去があったなんて。しかし理科は何も知らされず、何も思わずに。
「そんな状態で何とか高校までしのぎつつ、我らはイギリス清教の
 息のかかった聖クロニカ学園に理科を転校させる事で
 より彼女を保護しやすくするつもりだった。
 しかしついに、とある組織が彼女の存在に気付くときが来たのよ。
 ラージハード社というダミー会社を作ってまでして彼女に接近したのよな」

「ラージハード社・・・何だか聞いた事がある会社名だな」
夜空がこめかみに手を当てる。
「・・・あーっ!あれよ!あれ!」
突然、星奈が大声をあげた。
「ほらっ!『ロマンシング佐賀』よ!」
「・・・あー!あれか!」
俺達は、あのゲームで対戦した時の事を思い出した。
もう随分昔のように感じられるけど、まだ4ヶ月位前の頃だったんだよなあ・・・
「思えば、随分リアルなゲームだったな」
「ほう、もしかしてお前らもラージハード社の
 試作ゲーム機を使った事があるのか?」
「・・・とすれば、隣人部のメンバー殆どが
 いきなりレベル4の大能力者って事も説明が付くんだにゃー」
土御門が俺達を指差して言った。

「どういう事だ?」
「つまりだ、そのラージハード社の試作ヘッドマウントディスプレイには
 実は学園都市製のQUDBAIS用量子素子が使われていたのよな」
「QUDBAIS用・・・だって!?」
「そうよ、QUDBAIS用量子素子は知っての通り
 能力開発のための最初のトリガーを脳内に引くための装置に使われている。
 ということは、そいつを使ったゲーム機も同様の効果を得る事が
 出来ると思うのよな?」
「つまりだ鷹やん、隣人部がそのゲーム機で遊んだ時にQUDBAISに掛かったのと
 同じ効果を脳に与えるんだにゃー。
 もちろんそれ以降も”時間割り”に沿った訓練をし続けないと
 能力は開花しないんだが、ステイルが理科の部屋から回収した機械を調べたら
 やっぱり量子素子に改造が施されていたんだにゃー。
 それでクロックアップして皆の能力が早く開花したんだぜよ」

道理でステイルがこの前理科の持ち物を探していたわけだ。
それに今の話なら能力開花が早かった説明がつく。
隣人部の全員は他の生徒よりも数年早く能力開発の訓練をしているのと