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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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突入



所沢インターを降りて川越街道を突っ走ると
右手に朝霞駐屯地の広大な敷地が見えて来た。

「さあ、そろそろだにゃー」
土御門は表向きは全く緊張してないような素振りで、何やら木組みの器具らしき物を
あれこれと広げては点検し出した。どうやら陰陽道の式盤のようだ。
上条はなぜか右手だけを屈伸し始め、
インデックスは乗っている間中ずっと何かを食べている。
「とうま、このライスサンド美味しいんだよ!」
「あっお前、俺らの携帯食全部食っちまいやがったなー!?」
「腹ペコシスターの通った後には草一本生えないんだにゃー」

「そうだ羽瀬川小鷹・・・これを忘れていた」そう言ってステイルは
バスの荷物席にあった、マンホールのフタのような青銅製の円盤を俺に差し出した。
「これを貴様に持って行って欲しいのだ。
 これは何かというと霊装の一種、霊蓋と言って例の時空の渦にフタをする物だ。
 東欧のとある遺跡から発掘された代物だけど、効果は折り紙付きなんだ」
手に取ってみると、かなりずっしりしていて
表面には細かい文字だか模様だかで埋まっている。

「これを発掘したのは誰だか分かるかにゃー?
 ・・・実は、羽瀬川隼人。鷹やんのお父様だぜよ」土御門が言う。
「な?何だって・・・?」その言葉に俺も小鳩も仰天した。
「まあ驚くのも無理は無いにゃー。
 何しろ当人から息子には黙ってろと言われてたからにゃー。
 でもこんな事に巻き込まれてたら例外事項だぜよ」
「俺の・・・父さんが、どうして!?」
「実は隼人さんは我々イギリス清教の”必要悪の教会”メンバーだったのさ。
 隼人さんは世界各地の遺跡から霊装を発掘し
 使用出来るよう復元する任務に従事している。
 彼が居なければこの計画そのものが成り立たなかったろうね」
「そうか・・・父さん」
だから前に土御門は、『色々と繋がりがありそうだぜい』と言ってたのか。



その後俺は霊蓋を腕に抱いて思いに耽りながら、外をじっと眺めていた。
すると、駐屯地の上空に妙な物が浮いている事に気付く。
「何だ・・・?円柱みたいな・・・気球か?」
バードウェイもそれに気付いた。「まさかあれは・・・ニョルミル!?」

突然、その空飛ぶ円柱からバスに向かって雷が放たれた。
バシイイイイイ!!!という轟音を立てて一番前を走っていたバスが横転する。
「マ、マリア、ケイトーーー!!!」
確か先頭の車はシスター達が乗っていたはずだ。
俺達は慌ててバスを降りると、横転したバスに駆け寄った。
どうやらシスター達はとりあえず無事らしく
全員が降りて空中の円柱と対峙していた。
するとまた轟音とともに雷が放たれ、今度は俺達が乗っていたバスに命中。
更なる雷撃で今度は天草式のバスもやられ、全てのバスが黒こげになった。

「おい!ありゃ一体何なんだよ!?」
「ああ、あれは恐らくニョルミル、投擲の槌とも言うがあんな姿でも魔術師だ。
 一応人間だが自分の術式を最適化する為にああいう姿をしているらしいがね」
バードウェイは事も無げに説明したが、にわかには信じられない。
マジで魔術師ってのは狂ってるなおい・・・

「皆バスの陰に隠れ、対雷撃術式、撃墜術式用意なのよな!急げ!」
「かみやんに鷹やん達、ここは天草式達に任せて先を急ぐんだにゃー!」
「わ、分かった!」
俺達はバスに隠れながら、あの円柱の死角に入るルートを見つけ出した。
夜空が指差した。「よし、あの植え込みに潜り込んであの鉄柵の所まで行くぞ」
「何よ、四つん這いで行かなきゃいけないのかしら。手が汚れるじゃない」
この期に及んで星奈がぶつぶつと文句を言う。
「ふん、贅沢肉、略して贅肉め。
 じゃあそこでこんがりと焼き肉になっているがいい」
「ふさけないでよ!アンタこそ靴貸しなさいよ!
 足臭いけど手が汚れるよりマシよ!」
「二人とも喧嘩は止すんだにゃー」
土御門は呆れたように溜息をつきつつ、鉄柵の先を見つめていた。

見ると、だだっ広い雑草の生えた空き地のあちこちに、何本か柱が立っている。
「どうもクサいにゃー、どうやら鉄柵を越えた先には
 奇門遁甲の陣を始め、色々なタイプの罠が敷かれているぜよ」
「何だって?その奇門遁甲ってのはどういうもんだ?」
「まあ簡単に言うと、あそこに立っている柱と柱の間をくぐると、
 ある特定の術に掛かり二度と解除出来なくなるんだにゃー」

「そうか・・・よし、俺達三人で行くぞ。羽瀬川達はちょっと待ってろ」
そう言い残すと、上条と土御門、ステイルは植え込みに隠れつつ鉄柵まで行き
ステイルが出した火のような物で鉄柵を破ると
上条が柱の一つに突進していった。
その後、バキィ!という音とともに奇妙な柱がバタバタと倒れていった。
土御門が俺達に合図を送って来たので
俺達も身を伏せながら、上条と土御門の後に続き鉄柵の方に走り込んだ。

鉄柵からバスの方に目をやると、マリアやケイト達が
あの空飛ぶ円柱に対して攻撃を仕掛けているのが見えた。
アイツらに済まないと思いながらも
俺達は柱を避けて理科が居るであろう場所を目指した。