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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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邂逅



すぐに行かないうちに、俺達は結界らしき見えない壁にぶち当たった。
「くそ・・・この結界の構造が分からない限り進めん」
土御門が忌々しそうに地面を叩いた。
「待てよ・・・」上条が、雑草の生えた地面を見据えながら首を傾げ
「そうか!この草だ!」と言って見慣れない草を引っこ抜くと
パァン!と音がして一瞬にして結界が解けた。

俺達は更にその先に進もうとして、
「ちょっと待ちなさいねぇ・・・!幻想殺しちゃーん」
一段と雑草が茂っている所の陰から
緑色の服を来た白人の少女が立ち上がった。
「お前は・・・サローニャ!?」
「おっとかみやん、またもフラグの回収に失敗したんだにゃー!?」
「違うわっ!」
「とうま・・・どういう事か説明して欲しいかも!」
インデックスが歯を鳴らせている。

「ふふふ、幻想殺しちゃん。久しぶりねぇー。
 ハワイ以来の決着をつけさせてもらうよん!」
「うわーこれは上条さんにとっては前門の虎に後門の狼って奴ですか
 これはどう考えても死亡フラグ!?」
「っていうかここはかみやんとインデックスに任せて
 俺達は先に行くにゃー」
「いや、インデックスは僕が連れて行くよ。
 貴様に預けると碌な事にならないからな」
「私はとうまの浮気癖を直すまでここに居るかも!」
「っっ!仕方ない・・・ほら上条、さっさと女を倒すぞ」
何だか痴話喧嘩的な雰囲気を感じつつも、俺達は上条達にその場を任せ
土御門に続いて先を行く事にした。

「そういえばバードウェイ達はいつの間に居なくなっちまったが、
 どこ行ったんだ?」
俺は土御門に訊いてみた。
「あー、まあ奴らは奴らの思惑ってのがあるんだにゃー。
 まあ俺達を妨害する用向きじゃないと思うから心配要らないんだにゃー」
そんなものか、と妙に納得しながら前を見ると、その先には
サーチライトで何本も照射された、露天掘りの穴らしきものがあり
その周りで何十人もの人達が動き回っているのが見えた。



「む・・・あれか!?」
「どうやら、そうみたいだぜよ」
「何だかあの穴の中に何かあるみたいだけど・・・あっ!あれは・・・!?」
目を凝らすと、穴の真ん中に、聖クロニカ学園の制服が見えた。
「あそこにいるのは・・・理科じゃないか!?」夜空も息を呑んだ。
何と理科は、穴の脇に設置してあるクレーンで宙づりにされている。
理科の意識はあるのか無いのか分からず
目の焦点が合ってないようで、虚ろな表情をしていた。

「り、理科ぁムググ!!!」
いきなり土御門に口を抑えられた。
「な、何するんだ土御門!」
「ダメだにゃー鷹やん。こういう場合は闇雲に突っ込まずに
 情報を収集して状況を完全に把握してからというのがセオリーだぜよ」
「そうだな。ならば私の猫達を使おう」夜空が頷く。
夜空はいつの間にか俺達の後に付いて来ていた数匹の猫を、方々に散らせた。
辺りを探索させるように指令を出したようだ。

「うむ・・・分かったぞ。
 周囲には東西南北毎に、兵士の一団が10人程隠れるように陣取っている。
 あとスピーカーみたいな装置もある」
「それって木山先生の言っていたキャパシティダウンってヤツね」
星奈が即座に指摘する。
「あと・・・誰だ?常盤台中学の制服を着た女がいる。
 まるで彼女が兵士に指令を出しているように見えるが・・・?」
「おい、その女って」俺は嫌な予感がした。
「ああ、この前学校の校門付近に居た女で間違いないだろう」
夜空が頷いた。

「決まりだにゃー。まずあの女を始末するぜよ」
「始末って・・・一体どうすりゃ良いんだよ!?」
事も無げに言う土御門に対して俺は吃驚しながら訊いた。
「まあそれは鷹やん達に任せるんだにゃー。
 それよりも・・・俺はちっとばかし用が出来たんだぜよ」
いつの間にか緊迫した口調に変わり
土御門は前方のある一点を睨みつけた。
穴の向こう側にある野営テントと思しき一画に
白い手袋をした将校らしき人物が居るのがかろうじて見える。
夜空も猫の動きによってそれに気付いていた。
「む・・・あのテントにはどうしても近づけないな。
 猫達が本能で危険を察知しているのだ。
 しかしあの中に、今日隣人部を襲ったあの連中が居るのは間違いない」

「という事だ鷹やん。さっきも言った通り、
 俺は俺の責任を果たさなきゃならない。
 申し訳ないが、ここから先は別行動だ。
 俺はオトリになって連中の注意を惹き付け、それからあの男を倒す。
 鷹やん達は理科を助け出してくれ」
「・・・ああ、分かったぜ」
土御門の目に強い意志が宿っているのを見て取った俺は、頷くしかなかった。