二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

INDEX|30ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

蹂躙



「「「「「うああああああ!」」」」」
俺達は完全に炎の竜巻に巻き込まれ、全身が燃えたように感じた。
が、それも一瞬の事。
いつの間にか前に躍り出た上条が、右手を掲げて
炎を全て弾き飛ばしていたのだ。

「てめえ・・・もう許さねえ!」
上条は右手を握りしめ、キッと男の方を睨みつけたかと思うと
男の方に向かって駆け出して行った。
「てめえにどんな事情があるか知らねえ・・・
 もしかしたら俺達には計り知れねえ深刻な事情があるのかも知れねえが
 だからと言って、俺達や、俺の友達を傷つけて良いって訳がねえんだ!
 そういうのは結局、只のエゴじゃねえか・・・!
 もしてめえが、そのエゴをあくまでも押し通すっていうんなら
 いいだろう、その幻想をぶち壊す!」

やべえ・・・やべえよ上条!
マジで俺、その言葉に惚れたぜ・・・!
「・・・また上やんはクサいセリフ言ってるにゃー」
土御門が血を吐きながらも何か余計な事を言っているが気にしないようにしよう。
上条は、男を殴り掛かれる距離にまで急接近する。
しかし、それも束の間。
男が腰に差していた日本刀を悠然と抜いた。

「何っ!?」
「ふっ、上条当麻。
 貴様がその右手により、あらゆる異能の力を封じるのは十分心得ている。
 しかし私の居合術・・・物理的攻撃を果たして躱せるかな?」
男は言うなり物凄い勢いで刀を一振りし
それはつんざくような風切り音となって周囲に鳴り響いた。

「ッッグガァ!!!」
一瞬気付くのが遅れ、俺が上条の方を見ると
その全身からまるで爆発したかのように血が噴き出した。
「ハァッ!!!」
男が更なる一閃を放つと、今度は上条の胴体から横一文字に血が噴き出す。
「くっ・・・クソ」
上条は身体を折り曲げて全身の傷口を押さえようとするも
その傷が致命的であるのは誰の目から見ても明らかだった。
そして、ついに上条はその場に崩れ落ちてしまった。



「イノケンティウス!」
突如、背後から熱気と轟音を感じたので振り向くと
巨人の姿をした炎の塊が、男に向かって突っ込んで行くのが見えた。
男は手にした刀で炎の巨人を一閃し、炎は一瞬で消えた。
「ふん・・・上条め。
 貴様が見境も無く猪突猛進するから、後始末が大変なのだ」
いつの間にか俺達の後ろにいたステイルが独りごちながら
手に持っていたカードのようなものを男に向けてばらまいた。
すると、カードはまるで意志を持っているかのように
男の周囲を円形に取り囲む。
ステイルが何かを唱えると、カード同士が連なるように発光し
たちまち炎のドーナツとなって男を囲んだ。
「お、おい!理科もいるんだからな!」
「わかっている」
炎は更に男の頭を狙って収束していくように縮んでいく。

「フフフ、これがどうした」
男は、俺達に向かって悠然と言い放つと刀を捨て、すっと手を上に掲げた。
「水克火!」
男の差し出した手の先から水が鉄砲のように吹き出し、
たちまちにして炎のドーナツを消してしまった・・・が

「っぐががが!!!」
水を噴き出させた瞬間、突然男が全身を痙攣させたのだ。
「ふん、愚かな。
 貴様がそうやって水を出すのを狙って
 あえて炎のルーンに交えて電撃のルーンを混ぜておいたのさ。
 後は電撃が水の流れを伝って貴様の体に流れ込んだというわけさ」
そう言って、ステイルが俺達の前に一歩足を進めた瞬間
ブスッ、と音がした。

見ると、ステイルの体にあの日本刀が突き刺さっていた。
「ぐ・・グハァ!!」
黒ずくめの長躯が、ドォンと音を立てて地面に崩れ落ちる。
「ス、ステイル様ぁ!?」星奈が声を震わせた。
「愚かなのはお前だバカめ。
 私のコートや衣服には予め、魔術的防御策が幾つも仕掛けているのだ。
 この程度の電撃なぞ、毛程も感じんのだよ」

俺達は、この戦いを呆然と見ていた、いや見ている他無かったのだ。
それほどレベルの高い戦い・・・俺達が全く手を出せない程の。



「こんのぉー!!!」
星奈が、今気付いたかのように手から旋風を吹き出させた。
同じタイミングで夜空、小鳩、幸村がそれぞれ渾身の一撃を放つ。
しかし男は片手を、まるで団扇でも扇ぐように一度はためかせると
たちまち俺達の攻撃が全て吹き飛ばされてしまった。
「ぐわあっ!」
それは物凄い衝撃を生み、霊蓋を抱えて突っ立っているだけだった俺は
カッコ悪くも体勢を崩して尻餅をついてしまった。

「あんちゃん!大丈夫け!?」「あにき!」「小鷹!」
たちまち皆が、まるで俺を守るかのように俺の前に出た。

「土克水!」
「「「「ぶぅわあああ!!!」」」」
男が叫ぶと、皆がいる地面がいきなり爆発したように吹き出し
全員宙に吹き飛ばされてから地面に叩き付けられてしまった。
「よ、夜空!星奈!小鳩!幸村ぁーーー!!!」
俺は叫びながら皆の身体に飛びついて揺すってみたが
全員気絶していて、身体を小刻みに震わせるだけだった。