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like a girl

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 漆黒の、夜空を思わせるような黒の髪はくしでとくと抵抗なく流れていった。綺麗なストレートだ。先程まで、三つ編みで結っていたのにくせ一つ付かない。さらさらと、彼女の背中よりも伸びる髪をただ、ただすいていく。

「随分と、楽しそうですね?黒崎さん」

 その声は俺が髪をすいている人物のものだった。
「あ、すいません」
反射的に謝ると、彼女はチラリとこちらを振り返り微笑んだ。
「謝ることはありませんよ。すいてもらっているのはこちらの方なのですから」
くすくす、と。彼女の名前にもある、花のような笑いが返ってくる。とても子ども扱いされている気分になったが、彼女から見れば誰だって子供のようなものだろう。―まぁ、本人には口が裂けてもこんなことは言えないのだが。
 そろそろ頃合か。そう思い、俺は彼女―卯ノ花烈の前に回った。
「じゃあ、髪結びます」
「まぁ、そこまでして頂かなくても結構ですよ?」
大変でしょう?、と驚いたような、戸惑いが微かに感じられる声音で、卯ノ花さんは言った。俺は卯ノ花さんの言葉を半ば強引に無視し、彼女の髪へと手を伸ばす。後ろで半分ずつに分け、前へ持ってくる。
「こっからどうやっていつも三つ編みしてるんすか」
「ん。少し、コツがあるんですよ」
髪にばかり目を向けていたので卯ノ花さんの方へ視線を移すと眉を顰めた深海を思わせる蒼い瞳があった。そこにはキョトンとした俺が映っているのだった。なんとなく居心地が悪い気がして言葉を紡ぐ。
「それにしても髪、長いよな。ずっとこの髪型だったんすか?」
「いえ」
 卯ノ花さんは懐かしむように目を細めた。
「百年位前はもっと単純に、前で合わせてたんですよ。三つ編みにはせずに。ですが、ここ百年で随分と伸びてしまって」
それで三つ編みにしたんですよ、と彼女は言った。俺はその間不器用ながらも三つ編みをしていた。必死になってやっていた為、自分が前のめりになっていることに気づかなかった。だから、ふと目線を上げたとき彼女の顔が息がかかるほど近くにあるのを見て、心臓が止まるかと思った。
「編めました?」
「ぇ、ぃや、その。もう少し…です」
「そうですか」
そういうと、卯ノ花さんは興味を失ったように目を閉じた。
「あっ、お昼休憩大丈夫すか。時間取らせてすいません。一回、卯ノ花さんの三つ編み、結ってみたいなって思ってて」
 顔が近いのと焦りで自分でも何を言ってるのか分らない。だいたいなんだよ、髪を結ってみたかったって。もう少し気の効いた言葉があるだろう
。そんな俺とは真逆に卯ノ花さんは冷静だ。
「休憩はまだまだありますよ。私もちょうど暇でしたし、気にすることはありません。ですが、」
一旦底で区切り、
「私の髪型ってそんなに珍しいですか?」
「へ?」
そりゃあ…と開きかけた口は、結局開かなかった。卯ノ花さんは、すねたように頬を膨らませて、瞳は俺をまっすぐ見ていた。まるで少女のようだと思った。心拍数が相手に聞こえるんじゃないかと思うくらい上がっていく。カワイイ。どうしようか、綺麗系だと思っていたばかりにこれは…反則ではないだろうか?
「黒崎さん?どうか…?」
結い終わった手をそのまま卯ノ花さんの頬に添える。心配気に俺を見上げ言葉を紡ごうと開きかかった唇に自分のソレを重ねた。
作品名:like a girl 作家名:namo