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Angel Beats! ~君と~

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第41話 Koeda in the Dark 解決編

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああぁぁぁあああああああああああああああ!!?」

朝からの絶叫。
現時刻、7時14分。
そのせいで起きてしまう。

「お兄ちゃん…うるさいよ……」

布団に潜り込んで文句を言うとまた寝てしまった。

「お、俺じゃねえ!」

一人につき、一部屋提供という大サービス。他の旅館では滅多に無い事だろう。だが、初音が兄である結弦と離れたくない、と言う訳で結弦と一緒に寝ていた。

「それよりさっきの悲鳴……!」

慌てて布団から出ると襖に手を引っ掛け、思いっきりスライドさせる。

「音無君!」

あの絶叫を聞いたら慌てて出るだろう。
メンバーとチャー、そしてその嫁……

「…………あー……ゆりが二人…?」

一人のゆりは青い浴衣にカチューシャをしており、もう一人のゆりはどこにでも居る旅館の女将の様な着物を着ていた。顔立ちはそっくりで身長差もほとんど変わらない。
昨日は皆速効で布団に入った為、チャーの嫁の顔を見てはいない。

「そんな事より!さっきの悲鳴って大山君よね!?いや、そうだと思うんだけど!」

「朝っぱらから何なんだか……アイツ、ゴキブリでも見つけたか?」

「お~ふじまっちゃん、あり得る」

「い…い嫌だよゴキブリなんて…」

「いや、まだ決まった訳じゃないから」

いつもの様にひさ子が入江に突っ込む。

「こんなことしてる場合じゃないでしょ!早く行くわよ!!…で部屋って何処?」

「そんなことを知らずに出たのか!?」

「だってその方が事件っぽいでしょ?」

大山の居る部屋はこの廊下のつきあたりにある。チャーが先頭に立ち、皆を先導する。多くの人が廊下を走っている為、かなりうるさい。
大山の部屋に到着したメンバーはまず一回息を整える。何故か良く解らないが。
そして、先導に立っていたチャーが勢い良く襖を開ける―――――

「おい大山!大じょ――――――」

異様な光景がメンバーの起きたての目玉に広がっていた。
大山に思いっきり抱き付いて浴衣がかなりはだけて、顔を幸せいっぱいにしている小枝と状況に馴染めず固まってしまっている大山が布団に入っていた。
ここからは全員が大山に言ったことです。

チャー
「…………失礼しました…お邪魔でした……行くぞ、由妃(ゆき)」

※嫁の名前です。

ゆり
「大山君、後でお話を聞いてあげるわ」

藤巻
「達者でな!」

高松
「見てはいけない光景でした」

関根
「良いぞー!」

TK
「Yamaちゃん…Good lack!」

遊佐
「……お幸せに」

入江
「…ごめん思い付く言葉が無いよ……」

竹山
「…………」

結弦
「まぁ…その……頑張れ……」

岩沢
「おめでとう。幸せにしろよ」

椎名
「浅はかなり」

野田
「心配して損だ」

ひさ子
「ま、まあ、良くある事だよ大山」

大山に言葉という花束を贈ると、ごめんなさいKYでした、という雰囲気を醸(かも)し出しながらその場を去っていった。
そして、何よりも……眠かった。あんな悲鳴を上げて駆けつけて来た結果がこれ。野田の言う通り、心配して損だった。

(『もう一眠りだな(ですね)』)

「ちょっ――――皆助けてよーーーーーー!!!」

抱き付いている小枝を振り払おうとするが力が強力過ぎた。全く払えない。助けを呼ぼうにも呼べない。しかも眠い………。あまりの出来事に目を覚ましたが中途半端に起きた為、急に睡魔が襲ってくる。

(寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ寝ちゃ駄目だ)

そう呪文詠唱の様に心で唱え続けるが、小枝の寝顔が妙に眠気を誘ってくる。それに、改めて見ると浴衣が剰りにもセクシー過ぎた。少し白くて小麦色の肌。抱き付かれて良く見えないが、太股が明らかに誘っている。それと小枝から匂ってくる甘い香りが鼻を刺激する。

「……………」



――――神は言っている……リア充死ね…と―――――



大山は実感した。これが…気絶をする3秒前なのだと―――











結局二人が目を覚ましたのは一時間後。
だが青い浴衣がはだけている小枝は全く離れる素振りを見せない。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影