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Angel Beats! ~君と~

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第48話 Ghost

怪談が終わり、そろそろ身体も温まって外の日が落ち暗くなった所で、

「夏休み恒例の『肝試し』やるわよ!!」

リーダーが叫ぶが、テンションが上がっているのはそのリーダーのみでありメンバーは興味を示さずそれぞれで何か喋っている。

「何よ!ここは『やったやった肝試しだ!いやっっほーーー!!』って言う所でしょーが!」

一人でツッコミ叫ぶがやはり誰一人とも興味が無い。

「あーもう良いわ。ルールは1組に3~4人、くじ引きで決める。えーっと……くじ引きは遊佐さん、王様ゲームで使ったら割り箸はあるかしら?」

「はい、どうぞゆりっぺさん。王様は抜いてありますよ」

「抜かなくて良いわ。今回は下克上方式で行くわよ。12が一番最強、順々に下がって行く程弱くなって行く、当然王様は一番弱いわよ」

へへーん、と威張って言っているが周りはそんなにゆりの波に乗っていないどころか、乗ろうとしていない。

「そんな程度で私と大山君の愛はキレないよ!」

「はいはい、解ったからさっさと引いて頂戴。それからよ」

メンバーが次々に引いていき、そして―――

「きゃーー☆!!いっち番よー………って何でやねん!!何でこういう時だけくじ運が良いのよ!」

残念なくじ運を持っているゆりは鉛筆をわざと折った様な音で一番と書かれている割り箸を折った。そして地面へと投げ付け右足で踏みまくる。

「やったよお兄ちゃん!11番だよ!」

「良いな初音……俺王様だよ…」

結弦がとても残念がっている中、直井がとても嬉しがっている。どうやら良い番号でも引いたらしい。
ゆりはもう踏み飽きたのか、少し冷静になり仕切る。

「あーもー……はい、12番のひとー」

「私ですゆりっぺさん」

「誰と組みたいの?」

「では、初音さんと」














チャーの家では、

「あ!やっべ!!買ったケチャップがどっか行きやがったケン!」

「な、何だって!?今夜の全員のご飯はオムライスなんだぞ!どうするジロウ!?」

「そりゃあ……血で代用するしか――」

「いや、もうそこは謝ろうよジロウ……って血でって鉄の味がするでしょ!?駄目だ!謝ろう!」

「イヤだね!!俺の心の何かが減る!」

「何なんだそれ!?謝ろうジロウ!今ならまだ間に合う!!」

「何と言おうと俺は謝らんぞ!」

「聞こえてますよー、おーい」

チャーの奥さんに注意されるまで、謝らなかったそうな。



















結弦は非常に歩きづらい。
しかも少し熱い。
何よりも――

「何で俺にくっつくんだ……」

右腕には初音、左腕には直井、そして遊佐は何気無く後ろで結弦の服を掴んでいる。
どういう経緯でこうなったかは知りはしないがとても歩きづらく、仕方が無い。
左腕の直井は何故か、本人には悪いが女の子の筈だがどうしても男だと思ってしまう。

「だって、こわいんだもんお兄ちゃん」

「天使であるこの私が音無さんを守らず、誰が守ると言うのですか?私が守るしかないでしょう?」

「そんなに体が震えてて何を守るんだ…説得力が無いぞ……」

この肝試しはアニキがある場所に当たりのアイスの棒を置いてきたらしく、それを取って戻ってくる。これがルール。
チームは、ゆり、野田、大山、小枝。
もう一組は、椎名、関根、入江。
もう一組は、藤巻、ひさ子、岩沢。
余りの、高松、竹山、TK。
そして、結弦達。

「それにしても……涼しいな…」

「…あ!」

遊佐が珍しくいつもの冷静な声ではなく女の子らしい声が聞こえたと同時に何か音がした。
後ろを見ると遊佐が左足首を擦って座っていた。どうやら挫いたみたいだ。

「遊佐さん大丈夫?」

「これくらい何とも―――っ……」

またも珍しく、少し表情をよく見ないと解らないが歪んでいた。

「痛がってるじゃねえか…ちょっと遊佐を診るから先に行っててくれるか?」

「えー……うん、分かったよお兄ちゃん。後でね」

「解りました。初音さんを一人で行かせる訳にもいきませんし……行きますか…」

「直井さん震えているよ?」

「いいえ武者震いです。行きみゃすおう」

「噛んでますよ?」

「きゃんでないです。行きますよ」

「噛んでるよ~」

と、会話をしながら結弦と遊佐を残し遠くへと行ってしまった。

「立てる――」

「無理です。おんぶして下さい」

このままだと治療ができなさそうなので、遊佐をおんぶしチャーの家で手当てえをする事にした。おぶってみると食事をちゃんと摂っているのか?と思う程体重が無く軽かった。

「重く…ないですか?」

「いやむしろ軽すぎるだろ………」

























「ねえゆりっぺ怖いんだけど……」

「な~に男が嘆いているのよ。しゃんとしなさいよ」

「ふん……ゆりっぺの言うとおりだ…」

真っ暗な夜道の中でゆりと大山と野田と小枝は歩いていた。勿論、小枝は大山の右腕にだきついて歩いている。

「あー、そうそう、怪談の時に話したんだけど血まみれの女の子がここに出るらしいわよ」

「ゑーーーーー!?」

「止めろ、うるさいぞ」

「私が大山君を守る!!」

「はいはい。分かった分かった」

適当に全員をあしらう。ゆりにとってはもう慣れっこなのだ。

「あー、それでさあ作者のアホが浮気してるのよ」

「な、何だってーーーー!?」

「ふん、アホだな」

「最悪だね」

「あなた達、誤解しているようだけどソッチの方じゃないわよ。小説の方よ」

「ほう、どんなのだゆりっぺ」

「死んだ後の世界の小説らしいわよ。ま、そんなの存在しないけどね。……ったく、この小説を書き終えるまでは他の小説は絶対書かないって決意していたのにこの様よ。お陰様で話が進まなくて一年になっちゃったわ」

「えーーー!?この小説一年経ったの!?まだ3ヵ月位しか経っていないのに!?」

「小説(こっち)の中でね。現実(あっち)は一年経ったのよ」

「それにしても…死後だと?ずいぶんとおかしなものを書くんだな」

「死後か~……僕ってそういう夢見るんだよね。ゆりっぺやメンバーの皆も居るよ」

「そんな夢を見ていたの俺だけじゃ無かったのか?」

「あら?二人見るの?私も貴方達みたいな夢を見るわ」

「へ?何の話なの大山君?どんなのそれって…………あれ?あそこに人が居るよ?」

















遊佐を背負い、チャーの家へ着きチャーの嫁に救急箱を持ってきてもらい、手際良く湿布を貼りテーピングをし治療が終わった。

「早いですね」

「まあな…」

立ち上がり、右足の調子を確かめる。

「有り難うございました音無さん」

「どういたしまして。どうだ?痛くないか?」

「大丈夫です。初音さんと直井さんを待たせる訳にもいきませんから、もう出ましょう」

さっきまで痛がっていた遊佐は嘘の様に軽い足取りで玄関まで歩く。そこにはゆりとそっくりなチャーの嫁の由妃とこう見えてもチワワが好きなケンが居た。

「お気を付けて」

ケンが深く一礼をする。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影