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【C83サンプル】エチュードを一緒に

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交錯する心の先に



見滝原市は急速に発展した実験都市だからなのかもしれない。リズムを刻むようにビルとビルとを区切っている様々な大きさの道路は、昼間の温もりをとどめてはいたけれど、それでも始発前にはLTR(トラム)のレールを暖める必要があるぐらいに冷え込んでいた。今日は風も無いというのに珍しく肌寒い。まどか達が登校する時間になっても、まだまだ気温は下がったまま、吐く息は白いままだった。日はまだ短いけれど、それでも集合場所に設置されている街灯はもうだいぶ前に消灯している。
まどかが生まれてから昨日までの世界と、何も変わっていないように感じるそんな朝の通学路。マミとほむらにとってはもうずいぶん前に世界は変わっていたのだろうけど、今まだ刻々と状況が変わりつつあるまどかにとっては、朝みんなで集まって学校から帰るまでの時間は比較的今まで通りの「ただの学生」でいられる貴重な時間であった。
「昨日の雨はすごかったよね」
さやかが話を振る。今日は珍しくさやかと仁美が前を、ほむらまどかがその後ろを歩いていた。
「でも、まどかと出かけた時にはちょうど晴れてきて、本当によかったです」
ほむらはさやかの背中に話しかける。さやかはくるっとターンをして後ろ歩きをしながらうらやましそうな表情をした。
「え?二人で出かけたの?何でさやかちゃんも呼んでくれないかなー」
「ほむらちゃんと私、初デートだったもん。ねー」
まどかはさやかからほむらに視線を動かして目を細めて笑いながら同意を求める。ほむらも同じ表情で答えた。
仁美は、まどかが「暁美さん」ではなく「ほむらちゃん」と呼んでいる事に気がついた。ほむらが転校してきて四人で行動するようになっても、まどかはほむらにどことなくよそよそしい態度をとっていたけれど、今はもう、まるで昔から仲がよかったみたいに打ち解けたように見えた。そんな風に感じてなんだか自分もうれしくなった。
「あら?さやかさんは振られてしまったみたいですね」
以前は仁美もまどかとさやかがふざけあっていちゃいちゃするのを、何となくうらやましく思いつつ見守っていた。もちろん二人は本気じゃないのは知っている。それでも今までの自分の受けた躾にじゃまされて、同じように騒げないのがちょっと寂しかった。だから自分としては最大限がんばってその話の輪の中に入ってみた。
「そうだよ!まどかは私の嫁なのに……」
「残念でしたわね」
眉をひそめるさやかにころころと笑いかける。そうですわ。わたくしはこれでよいのです。わたくしはさやかさんの親しいお友達。楽しくおしゃべりをして彼女の恋をサポートして。そして――。