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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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円形の盆地




「いてて、誤って足を滑らせちまった。土嚢袋を肩に落としちまうなんて、間抜けな話だぜ・・・・・・」
翔太郎に手配してもらった救急車に乗り込みながら自分の右肩をおさえて下田は自分の状態をそう評した。
「でも、下田さん。さっきの爆音は転んだだけじゃ、」
翔太郎の言葉に、下田は物知り顔で、あーあー違う違う、と顔の前で手を振り否定する。
「けっこう派手に転んだからなー。そりゃでかい音もするだろうよ。アンタは土木やったことねーから知らねーだろうけどよ、ああいう事故はよくあるものなんだ」
いてて、と呻きながら下田は適当な調子で答える。
「しかし、これで現場は監督だけになっちまったな・・・・・・、くそ、マジでこの会社、呪われているぜ」
労災いくらくらい降りるのかなー、と、下田は救急車のドアが閉まるまでボヤいていた。
「・・・・・・」
翔太郎は下田を乗せた救急車を見送る。
(あの爆発音と土埃の量・・・・・・、人一人がコケたくらいじゃあんなにでかいものにはならねー)
当事者の下田は一瞬の出来事だったので、長年の土木作業員としての経験則で土嚢袋の重みと体のバランスを崩して転んだと当たりをつけたようだが、外からその様子を見て取れた翔太郎にはただの転倒ではないことが理解出来た。
(あれは、もっと強い力が加わらなけりゃあんなでかい音はしない。・・・・・・それに、)
翔太郎は下田が倒れていたところに立つ。
みると下田の右肩があった部分、そこに小さなクレーターが出来ていた。
肩の丸みではなく、調理に使うボウルのような均整のとれた円形の盆地。
(倒れたときに着いた衝突痕、にしちゃ不自然すぎる形だぜ・・・・・・)
翔太郎は考える。
袋の当たり所が肩だったからよかったが。
もし、袋の落ちた場所が頭や首だったとしたら?
少なくとも労災の金額を気にするようなちゃちな事故では片付けられない。
「・・・・・・」
翔太郎は考える。
例えば誰か。
第三者の力が加わって下田が怪我をしたとして。
一体どういう『理由』があって、人一人に何の前触れもなく病院送りにするような傷を負わせたのか?
「・・・・・・」
翔太郎は目元を隠すように帽子を被り直す。
「やっぱり直接会ってみるしかねーよーだな、永田省吾・・・・・・っ!」