The world make kaput <1章:2>
報告2
―村長宅―
村長:
「ほっほっほ。ご苦労ぢゃったの。で、どうぢゃった?」
ラウル:
「え、あ~その事なんですが…コレを」
そう言ってラウルはポーチから金色のイヤンクックから剥ぎ取った鱗を取り出し、村長に見せた。
村長:
「イヤンクックの鱗ぢゃの」
ラウル:
「はい…え?」
村長はそれがどうかしたか?といった表情でラウルを見た。
ラウルが手にしているのは普通の…ピンク色をしたイヤンクックの鱗。
ラウル:
「あれ…何故…?」
確かに剥ぎ取った時は金色をしていたはず。
村長:
「なにかあったかの?」
ラウルが不思議な顔をしていたので村長が聞いてきた。
ラウルは金色のイヤンクックの事を村長に話した。
村長:
「金色の大怪鳥か…」
ふむ…と言った感じて視線を宙に移した。
ラウル:
「何か知ってるんですか?」
村長:
「うんにゃ、見た事も聞いた事もないわい」
そうですか…と言ってまた鱗に視線を落す。
少しして村長が口を開いた。
村長:
「ラウ…」
と、時を同じくしてラウルを呼ぶ声。
エリス:
「…~ウ~ル~さぁ~ん!!」
バゴーン!
壊れそうな程に開かれた扉は…いや、蝶づかいの上側が外れている。
エリス:
「ラ、ラウルさん!」
ラウル:
「…どうした?」
エリスのこういった行動に慣れたのか慌てる事もなく問い返した。
エリス:
「ここここ…コレ!」
エリスは握り締めていた物をラウルに見せた。
それはイヤンクックの鱗。
恐らくラウルが村長に見せた物と同じ、元、金色の鱗。
ラウル:
「あぁ、俺も今その事を村長に話してたんだ」
エリス:
「…そうなんですか。で、何か分かりました?」
ラウル:
「いや」
エリス:
「そっかぁ~おじいちゃんでも分からない事あるんだね~」
エリスは鱗を眺めながらつまらなそうにつぶやいた。
村長:
「ほっほっほ…スマンのぉ」
それだけ言うと村長は近くにあった椅子座った。
作品名:The world make kaput <1章:2> 作家名:ますたーど