The world make kaput <1章:2>
報告3
エリス:
「あっそうだ!ラウルさん」
両腕に力を込めて振り向くエリス
ラウル:
「なんだ?」
エリス:
「これからチャッキーのパーティするんです。良かったら来ませんか?っていうか来て下さい♪」
ラウル:
「…チャッキー?あぁ、チャチャブーか」
その会話を村長が不思議そうに聞いていたのでラウルが説明をした。
村長:
「ほっほっほ、チャチャブーを連れ帰ったのか」
さして驚く風もなく笑うだけだった。
エリス:
「じゃぁ行きましょ♪もうアキが準備してくれてると思いますから」
そう言うとラウルの腕を掴んで引っ張る。
村長:
「ちょい待ち」
エリス:
「…何?おじいちゃん」
プーと頬を膨らませて村長をみるエリス。
エリスとは逆の腕を村長が掴み引き止めたのだ。
村長:
「少し話があるでの…ラウルを借りてもよいかの?」
エリス:
「…は~ぃ」
少し考えてからしぶしぶラウルの腕を放すエリス。
エリス:
「早く来ないと食べる物なくなっちゃうんですからネっ」
ラウル:
「あぁ、なるべく早く行くよ」
それを聞いてニシシと笑うとまた来た時と同じように勢い良く飛び出して行った。
バゴーン!
今度は下側の蝶づかいが外れて、支えを失った扉はゆっくりと…地面に落ち、砂埃を上げた。
少ししてラウルは村長へ向き直り、なんでしょう?とたずねた
村長:
「ほっほっほ…その前に扉を直さんとな。ほっほっほ」
ラウル:
「あ、俺がやります。座ってて下さい」
そう言って慣れた手付きで扉を直すと村長に向かい合うように椅子に座った。
村長:
「ふむ…ラウルよ」
ラウル:
「…はい」
ラウルは村長の雰囲気が急に変わったので少し声がうわずってしまった。
―エリスを殺してくれんか?―
「――――ッ!!」
1章:終わり
作品名:The world make kaput <1章:2> 作家名:ますたーど