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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 4

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<地球へ Ⅰ>
  「なぁ…そろそろ地球に戻るか?」

島が盛り上がってるところ水を差すようで…と言いながらそう言った。

  「本当はまだここにいたいんだけど…いつまでも長官に甘えてるわけにもいかないし
   家族も待っている…それにいつまでもここにいたらあいつらも心配するんじゃない
   かって思うんだ。そして宇宙(そら)へ戻ろう…そうすればあいつらと会える、
   って思うんだ。
   それと長官を艦長にして今すぐじゃないけど…イスカンダルへ行こうって計画を
   建てている。それまであいつらに笑われないようにしっかり仕事しよう。」

7人は島の言葉を静かに聞いていた

  「家族…か。」

南部が仕事人間のはずの父親が自分のためにわざわざ月まで足を運んでくれた事を思い出していた

  「そうだな…待ってる人がいるんだもんな。俺さ、オヤジが来て改めてヤマトを産
   んだの俺の実家なんだ、ってちょっと誇らしげに思っちゃったよ。そして…
   俺が乗れた事、すっげぇ嬉しく思ってる。そのお礼を言いに…地球に戻ろうかな」

南部はそう言うと島の顔を見て笑いながら言った

  「俺、帰るよ…地球に。」











翌日の最終便でヤマトの乗組員が全員帰る事になったが島が救命艇を残して帰りたくない、とのことで自分で操縦すると言い張り島以下7名を乗せて救命艇で地球へ戻って行った。




  「長官、わがままをお聞きくださってありがとうございました。救命艇を地球へ戻
   します。ヤマトの一部でした。お願いします…取り壊したりしないでください。」

島はそう言うと深々と頭を下げた。すると自然に全員が頭を下げて“お願いします”と言った

  「お帰り…辛かっただろう。一週間の休養を与えるので実家でゆっくりするもよし
   寮でゆっくりするもよし、だ。自由にしたまえ。有給を使いたいものは遠慮なく
   申し出てほしい。」

藤堂は全員と握手をするとそう言った。

  「先に戻ってきたものもまだ休暇中だ。かなり疲れているようでな…中には一カ月
   休みを取っている者もいる。とりあえず寮に向かいなさい、エアカーを用意した
   から…。」

藤堂はそう言うとターミナルへ移動するよう伝えた










藤堂は一緒に寮に移動すると島を呼びとめた

  「島…ありがとう。頼ってばかりで本当に申し訳ない。救命艇は私が預かるから
   安心したまえ。」(藤堂)
  「いえ…とんでもないです。」

島はちょっと引っかかるものがあったので

  「長官、もしお時間があるのなら少し私の部屋で話しませんか?」

と誘うと藤堂が

  「すまんな…」

と言って島の部屋に入った

  「寮母さんいない間も掃除してくれてたみたいです」

部屋に埃ひとつなくきれいだった。島は壁に収納されてるベッドを出すと

  「すみません、ベッドに座っていただくしかなくて…」

と言うと藤堂は失礼する、と言ってベッドに座った

  「長官、話があるんですよね?」(島)
  「戻ってきたばかりですまんが…古代とユキの事なんだが…」

島はやはり、と言う顔をした

  「二人の荷物、預かってきています。明日、ユキの実家に行ってこようと思っていま
   す。古代から預かったユキの遺品があるんですけど古代は何もよこさなくて…
   だから悪いと思ったんですが勝手にあいつの部屋に行って手当たり次第持ってきた
   物があるんです。ヤマトの部屋ってキーロック出来るの艦長室だけなんですよ。
   だから古代の部屋勝手に入っちゃったんですけど…あ、さすがに女性の部屋は
   入らないですよ!…最後に念のため生存者が残っていないか確認しました。その時
   ユキの部屋を見ましたがきれいに片付いていて…みんなキレイでした。月面基地に
   行って戦死したみんなの部屋の片付けに山本達が行ってくれたんですがやはり
   キレイだったそうです。」

島は涙をこらえてそう報告した

  「ユキの荷物と古代の荷物は一緒に渡そうと思っています。そしてユキの遺体を連
   れて戻れなかった事を許してもらおうと思います。
   あいつらはいつも離れ離れだった。ユキは地上勤務であいつは…それでも一年の
   任務の間に時々地球に戻ってこれる時とかお互いほんの少しでも合える時間があ
   れば会っていました。多分二人でいた時間は短かいけど…ユキの両親に分かって
   もらえたら、って思っています。」
  「島一人で行くのか?」(藤堂)
  「あいつら誘ったら絶対行くって言うと思うんですけどあの人数で行くのもなんですし
   ご両親が落ち着いて話を聞いてくれるか、と言うのもあったので私だけでこっそり
   行こうと思いまして…」(島)