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かじみちつめ

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OPE.6オンエアまえにOPE.6に期待していた展開



「これ以上は切れない」
未知子は冷静な声で告げた。
手術室の様子を東京地検特捜部の検事たちと一緒に見ていた事務局長はめまいを起こし、つぶやく。
「終わった……」
統一部長の海老名たちもぼうぜんとしている。
「やっぱりダメか」
「大門先生にもできないこと、ありましたね」
しかし。
加地は言う。
「まだ終わってない」
その顔にはうっすらと強い決意がにじんでいる。
加地は手術室に自分の声が聞こえるようにして、ふたたび口を開く。
「大門、おまえの二本の手じゃもう切れないかもしれないが、あと二本手があったらいけるんじゃないか。魔術師様の手があったらな」
未知子は振り返り、加地のいるほうを見あげる。
強い眼差しを向けて、告げる。
「さっさと来い!」
「……だから、命令するなっての」
加地は文句を言い、しかし、その足は手術室へと動き出した。





作品名:かじみちつめ 作家名:hujio