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夏祭り

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毎日蒸し暑い日が続く。

日差しが熱く、ジリジリと
肌が焼けているのがわかる。

沖縄から帰って間もない、
そんな夏休みのある日。

「夏祭り、行かねーか。」

学校の夏期補習の帰り道、
馬村が言った。

「あっ行きたい!
 じゃあ、ツルちゃん達にも
 声かけてみるね。」

すずめは嬉しそうに返事した。

「なんでそうなるんだよ。
 オレは二人で行きたいんだけど。」

馬村は照れ顔なのか
ふてくされているのか、
微妙な顔で言った。

「あ…そか。そうだね。」

すずめはかぁぁぁと赤くなった。


沖縄で、晴れて二人は
本当の意味で両想いになったのに、
付き合うということに関しては
初めて同士で、なかなか
まだ噛み合わない。


「去年みんなで行ったから
 なんとなく今年もそうなのかと。」

「去年と今年じゃ
 全然意味が違うだろーが。」

学校から二人で帰ることには
だいぶ慣れてきたけれど、
二人でデートというと
変に構えてぎこちない。

それでもやっと対等というか、
馬村に遠慮がなくなってきたのも
事実だ。

「オマエ、あれ来てこいよ。
 浴衣。」

「あ…あれはツルちゃんちの
 お母さんにやってもらったから、
 今年はどうしよう。」

「ああいうの着るの難しいのか?」

「一人ではやったことない。」

「そか、じゃあ、しょうがねえな。」

馬村の顔は無表情だったが
心なしか残念そうだった。

とりあえず夏祭りの日、
19時にあそこで、と
待ち合わせを決めて別れた。

ドキドキする。

浴衣は自分で着れないけど、
すずめはせっかく馬村が
リクエストしてくれたから
どうにかしたいと思って
ツルちゃんに電話した。


「いいよ!私もその日、
 犬飼と夏祭り行くから。
 うちで着付けて行けば?」

「ありがとう!!」

ツルの好意で、
おばさんに着付けてもらうことができ、
ついでにツルにメイクも
してもらった。

「それにしてもすずめちゃんと
 馬村がねぇ。こんなふうに
 二人で出かけるようになるとは。
 去年の夏祭りでは想像も
 してなかったよ。」

ツルがシシシと笑う。

「私も。」

すずめはまだ実感がわかない、
というような顔をした。

なんだそりゃーと言いながら
準備を終え、ツルの家の前で、

「夏祭りで偶然会えたら
 ビックリだよねー。」

「人多いから難しいだろうね。」

と言ってツルとは別れた。

作品名:夏祭り 作家名:りんりん