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金剛になった女性 - 鎮守府Aの物語

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--- 2 鎮守府Aの艤装




 その後金剛は教育秘書艦である高雄と羽黒からいくつかの説明を受け、その後艦娘と艤装について講義を受けた。


((配属時に毎回聞かされる話し、これで4度目デスね・・・))
 4度目の同じ内容に辟易する金剛。しかし4度目の講義内容は、今までとは違う説明が出てきた。


「・・・ということが艤装の一般的な説明ですが、鎮守府Aではつぎのように教えられています。


・・・


ということです。これは初期艦である五月雨ちゃんと、提督が鎮守府A開設前に大本営より、特別講義で聞いた内容とのことです。」と高雄。


「ち、ちょっと待ってくだサイ。それは今までの鎮守府で一度も聞いたことがありマセン!それは本当なのデスか?」
金剛は驚きを隠せない様子で質問する。
「私達も最初は信じられませんでした。艤装は艦の能力を人間の身に合うように伝達し、海上にて高度で繊細な活動ができるための仕組みとしか他の鎮守府では教えられてないようですが、これが当鎮守府で教えられる艦娘と艤装の説明です。」


 金剛がこれまでの鎮守府で教えられたのは、艤装の性能をきちんと伝達させるために、装着者との同調が一定の高さであることが求められること、それを使いこなすには健康的な人間、という程度であった。
 しかしこの鎮守府に配備される艤装は、装着者の心、精神の状態を検知してそれにより性能を変化させるというのだ。
 わかりやすく言えばつまり、機械が人の心や精神を理解して動く。


 他のところでは精神力がどうのこうの、思いがどうのこうのといういわば曖昧な要素は伝えられていない。それが一般的なのだ。それ以上の仕組みは知らないし、知らなくてもいいように運用されている。この世界における艦娘は所詮は武装した、ただの人間なのだ。


「・・・このことが広く知られれば、深海凄艦との戦いも一気に楽になると思いマス。広めマショウ。」
 金剛は提案した。


「いけません。これは他の鎮守府に漏らしてはいけない情報です。これに関するすべての情報は提督と五月雨ちゃん、そして教育秘書艦である私達しか知りません。とはいえ、この鎮守府の艦娘には基本のことなので、当り障りのない程度に簡単に教えています。」
高雄は強い口調で注意した。


「Oh...だったらなぜ私にすべての情報を教えたのデス?それは秘密の情報デショウ?私は短期間の契約だし・・・」
「だから金剛さん、着任前に秘密保持の誓約書にサインしましたよね。ですのであなたは他の鎮守府でこのことを話さないでいただきます。
 提督の真のお考えはわかりかねますが・・・。提督はこのことをあなたに教えるように指示しましたけど機密性の高い情報ですので、私達の独断で秘密保持の誓約書を書いていただきました。このことは提督も了承済みです。」
事務的に注意と説明をする高雄。


「そんな大事な情報をなぜ短期所属の私なんかに・・・それにこの鎮守府って一体?」
 金剛は誰に問うわけでもなく、鎮守府Aについて疑問を漏らした。高雄はニコッと笑い、あえてそれに答えた。
「出撃任務が多くない、普通の鎮守府ですよ。本当のところは私達はおろか、おそらく提督ですらも知らないはずです。これ以上は憶測になってしまいますし。」


((この鎮守府・・・今までの鎮守府とは違う。私はどうしたら・・・))
 金剛は不安を持ったが、鎮守府Aにますます興味も持った。