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主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

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 アカリとコウマが旅をしている最中、自分たちの目の前にセレビィが現れたとのこと。理由は定かではないが、そのまま時渡りをする羽目になったということである。突然、目の前に幻のポケモンの一体が現れたら、驚くのは無理もない。


アカリ「それにしても、皆さん時渡りをした人間に出会ったというのに、随分と落ち着いていますね。そう滅多に遭遇することはないのに…」


サトシ「あぁ。それなら俺達、実は何回かセレビィの時渡りに遭遇してるんだ。そういえば、ユキナリは今頃どうしているのかなぁ…」








丁度その頃、


オーキド「ヘクシュ! ん〜、どこかで誰かがわしの噂をしているようじゃな」


 研究所で一クシャミをしたユキナリ博士であった(笑)









マリナ「それなら、アカリちゃんやコウマ君も時渡りってすぐに分かったわよね?」


コウマ「セレビィの時渡りについては、パパやママからよく効かされていましたからね」


アカリ「最初はどうしていいのか分からなかったのですが、サトシさん達との会話が弾むにつれて何だか楽しい気分になってきました。過去に来て最初に出会ったのがサトシさん達で本当に良かったです」


デント「うん、そう言っていただけると、こちらとしてもうれしい限りだよ」


 今思えば、アカリとコウマが時渡りをして最初に出会ったのがサトシ達で良かったと思う。これがもし心の悪しき者であったら、時渡りが二人にとってトラウマになったであろう。


キィィィィィン!


セレビィ「ビィ!」


ケンタ「! セレビィだ!」


 突如、祠から眩い光が放たれて、光の中からセレビィが現れる。


コウマ「どうやら、僕達を迎えに来たみたいですね」


アカリ「皆さん、短い間でしたが、私達に付き合って下さりありがとうございます」


サトシ「お、おい! ちょっと、待ってくれよ!」


 セレビィに連れられるように、元の時代へと帰ろうとするコウマとアカリ。別れの挨拶がきちんと出来ていないサトシ達は、二人を呼び止めようとするが、


アカリ「大丈夫ですよ。いずれ、皆さんの身近な存在として現れますから」


コウマ「それまで、しばしのお別れです」


 アカリとコウマはこう言いながら、セレビィとともに眩い光の中へと入っていく。しばらくして光が消えた頃には、二人とセレビィの姿はどこにもなかった。


アイリス「…二人が最後に言っていたことってどういう意味なのかしら?」


ベル「う〜ん、全く分からないわ」


 サトシ達は、アカリとコウマが分かれ間際に言い放った一言が心の中で引っかかっていた。しばらくこの一言について考えていたが、結局誰も理解することが出来なかった。


ケンタ「…そろそろ、出発するか」


マリナ「そ、そうね…」


 サトシ達はアカリとコウマのことを気に掛けつつも、次の目的地・コガネシティに向けて、歩き始めるのだった。アカリとコウマが最後に言い放った一言の意味、サトシ達がそれを理解するのはそう遠い未来ではないだろう。


続く





後書きという名の舞台裏(?)


サトシ達がコガネシティに向けて出発した丁度その頃、アカリとコウマは元の時代へと戻ってきた。


コウマ「あぁ、びっくりした。だって、子どもの頃の僕とアカリちゃんのパパとママに出会っちゃうんだもの」


アカリ「偶然にしては出来過ぎよ。落ち着いてお話しするのに苦労したわ…」


 どうやら偶然にもサトシ達の中に将来のアカリとコウマの両親がいたようだ。二人ともサトシ達の前では平静を装っていたが、心底驚いたようである。


コウマ「…次の街に行こうか?」


アカリ「…うん」


 アカリとコウマは少し気を落ち着かせてから、次の目的地に向けて出発した。アカリとコウマ、それぞれの目標に向けて突き進むのだった。