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君のせい

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「馬ー村っ!」

ドーン!と、音が聞こえそうなほど
アイツに朝からタックルをかまされて、
「痛ぇ!」
とオレはマジ声をあげた。

「お前なぁ!なんでいっつも
 タックルしてくんだよ!」

「え?嬉しいから?」

「は?何かいいことあったのかよ。」

「馬村が見えたからに決まってんじゃん!」

「は///?なっ…に言って…」

今自分がオレにとって
どんだけの爆弾発言したかなんて
何にも意識してないアイツの顔とは裏腹に、

オレの顔面の熱がカァァァッと
あがるのがわかる。

「あっ、すずめちゃーん。おはよ!」

「カメちゃん、ツルちゃん。おはよ。」

「あれっ馬村?顔赤いよ?
 熱あるんじゃないの?」

「っ///、ねえよっ!」

これ以上ここにいたら、
また亀吉に弄られるので
オレはそそくさと教室に逃げた。

「おー、馬村!おは…って、お前ダイジョブ?
 顔赤ぇけど。熱あんじゃね?」

「……ねえよ。」

やっぱり猿丸にも指摘された。

マジこの赤面症が嫌だ。

いつになったら治るんだ。


HRが始まった。

前は隣の席だったのに、
今は右端の視界に小さくアイツが見える。

両想いってやつになって、
返ってよかったかもしれない。
近いと心臓がもたない。

さっきだって、
オレに朝から会えて嬉しいって…

オレは顔を隠し、
ニヤけそうになるのを
必死に抑えた。

でもせっかく治まった顔が
また赤くなるのがわかる。

「はぁ。」

オレはアイツのほうに視線をやると、
なぜだか気がついて振り向いたので、
睨みつけた。

また赤くなっているオレの顔を見て、
アイツは「触ってないのになんで?」
という顔でオロオロしていた。

プッ…なんて顔してんだ。


『バーカ』

無音で言い返した。

???

アイツは全くわかってない。

自分の不意な言動が
どれだけオレを一喜一憂させるかを。

作品名:君のせい 作家名:りんりん