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0までの距離

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「ネフリーさんて、美人だよなー。なんか見惚れちゃうよ」

今、ルーク一行は雪の街、ケテルブルクにいた。
着いてすぐにネフリーに挨拶をし、宿をとってもらった。
皆それぞれにくつろぐ中、ミュウとじゃれながらルークが冒頭の言葉を呟いた。

「なになに〜?ルークってば、人妻好きなの〜??や〜らし〜」

アニスはその言葉を聞いた瞬間、真っ先に絡んできた。
そのアニスを筆頭に皆のルーク弄りが始まる。

「なっ!ちっげーよ!!」
「わ〜、ムキになるところが益々あやしい…」
「ルーク…俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ…」
「ガイ!お前まで!!」
「まぁ、ルーク!破廉恥ですわ!!」
「ご主人様、ひとづまってなんですの?」
「ナタリア!お前本気で勘違いしてんだろ!それと、ミュウ!お前は知らなくていい」
「え、違いますの?」
「違うわぁぁああ!!」
「みゅうぅぅ…」
「…ルーク…その、私は、ルークがそういう趣味でも、あの、応援するわ」
「…おーい、ティアさーん…?」
「頑張って!ルーク!チャンスはまだあるわ」
「はぁ…」

保護者(ティア)までも参加してしまったので、ルークはがっくりと項垂れた。

「もういい!まったく皆して!!俺、外行ってくる!」
「ミュウもいきますのー」

ルークは少し拗ねて外へと出て行った。

「ちょーっとやりすぎたかな?」
「ま、そのうち帰ってくるって。てか、旦那、入ってこなかったな。どうしたんだ?」
「た〜いさ〜??」
「はい、なんですか?」
「空気、でしたよ〜?珍しく。ルークを構ってるといつもすぐ入ってくるのに」
「あ、もしかして旦那…」
「ガ〜イ?余計なことを言うとうっかり手が滑ってしまいますよv」

清々しいほどの笑顔で言い放ったジェイドの右手にはもう槍が装備されていた。

「…スイマセン…」
「兄さん」
「おや、ネフリー」

ガイが引きつった笑みを浮かべ謝っていると、ネフリーが入ってきた。

「噂をすればじゃーん!」
「?なんのことです?」
「なんでもないですよ、ネフリー。それより、どうかしましたか?」
「いえ、ちょっとルーク様とお話がしたくて。…いらっしゃらないようですが…」
「えぇぇえ!!ちょっとなになにー!?」
「アニス、うるさいわよ」
「ルークに話、とは…。どういう用件で?」
「いえ、その…」

ネフリーが口を開いたとき、ルークとミュウが頬と鼻の頭を真っ赤にして戻ってきた。


「ご主人様!雪合戦、楽しかったですのー!」
「またやろうな」
「ルーク様」
「あ、ネフリーさん。どうしまし…」
「ルーク?」

ルークは並んでいるジェイドとネフリーを見て目を見開く。

「ルーク、どうしちゃったんだ?」
「2人がデキてるって思っちゃったとか〜?」
「それはないだろ」

アニスがニヤニヤとしながら言った言葉をガイは苦笑しながら否定する。

「あの…ルークさん?」
「あ、すいません…」
「ご主人様、どうしたんですの?」
「いや、わかったんだ。ネフリーさんに見惚れちゃう理由が」
「へ…?あの、ルークさん?」
「ルーク?どういうことです?」

ルークはニコッとやわらかく笑って言った。

「ネフリーさんて…」

ジェイドに似てるから

「「「「「「!!」」」」」」

皆は驚きを隠せず固まっている。

「だから、見惚れちゃったんだなー」
「ご主人様、嬉しそうですのー」
「そうか?」

ルークは固まっている皆に気付かず、ミュウと遊び始めた。

「ルーク…、直球ド真ん中な盛大告白をしたのにぜんっぜん気付いてないよ…。…あれ、大佐?」
「兄さん?」

ジェイドは皆に背を向け、口に手をやっている。
髪の毛の間から少し見える耳はほんのり色付いていた。

「兄さんが…照れてる…?」
「へー、旦那も人間らしいとこあるんじゃん」
「た〜いさぁ!こっち向いてくださいよ〜ぅ」
「まぁ、ジェイドにもこんな一面があったのですね」
「…大佐…かわいい…」
「う、るさいですよ」
「?ジェイド?どうしたんだ?」
「みゅ?」

ようやくジェイドの異変に気付いたルークが声を掛けた。
そして、ミュウがジェイドの顔を覗き込んだ。

「!!大変ですの!ジェイドさんお顔が…みゅうううううううう!!!」
「ミュウ?丸焼きにしますよ?」

ジェイドは慌てたミュウの頭をがっしりとつかんで力を込め、
にっこり微笑んだ。
…背後に般若が見えたのは気のせいだと思いたい。

「ちょ!ジェイド!!」
「おや、これは失礼」

すっかり元に戻ったジェイドはミュウをルークに渡し、皆の方に向き直った。

「ミュウ、大丈夫か?」
「みゅうぅぅ…はいですの〜…」
「大佐復活早っ!」
「なめてもらっちゃ困りますね〜。それと、ルーク?」
「なんだよ…っ!!」

ジェイドはルークを呼ぶと、素早く自分の胸に収めた。

「ちょ…!ジェイド!?」
「あまり…」
「へ?」
「あまり、心臓に悪いことをしないでください」
「?俺、なんかした?てか離せぇぇ!」

ジェイドはルークを抱きしめたままニコニコしている。

「もう少しいいじゃないですか」
「いいわけないだろ!」

語尾にハートマークを付けて笑うジェイドをルークは渾身の力で引き剥がし、少し距離をとる。


「あら、残念」
「うるせぇ」
「そういえば、ネフリー知事はルークになにか用事があったんじゃ…」
「へ?そうなんですか?」
「あ、はい」

ネフリーはルークに近付き、耳元で囁いた。

「前に逢った時にも少し感じたんだけど、兄さんは、あなたといると人間らしい感情を取り戻せるみたい。…これからも兄さんをよろしくね」
「え…?」
「それでは、私は執務がありますのでこれで失礼します」
「…ネフリー…」

ネフリーは意味深な笑みをルークとジェイドに向けて宿を出て行った。

「?どういうことだ?」
「ルーク?何を言われたんです〜?」

ジェイドは後ろから腕をまわし、ルークの腰に巻きつける。

「!何でもぬぇーよ!離せぇぇえ!!」
「…責任は、取ってもらいますよ」
「…え?」
「何でもないです」

機嫌よく笑うジェイドにルークは困惑と恐怖が入り混じったような表情を浮かべていた。


このとき皆が思ったことは1つ。



この2人がくっつくのは、時間の問題だな…。



END


2人がくっつくのは、また別のお話。
作品名:0までの距離 作家名:猫田ぽち