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敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女

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心配の種



〈ヤマト〉は海底に錨を下ろし、第三艦橋を地に触れさせんばかりにして暗い水の中にいた。第一艦橋では南部が窓に顔を張り付けんばかりにして、メガネの奥の目をすがめて外を凝らし見ている。

島が言った。「何してるんだ?」

「いや、別に……」

「遊んでる暇はないぞ」沖田が言った。「時間を与えられたのは、敵も同じだと考えねばならん。我々が外へ出るのを待ち受ける態勢を整えようとするはずだ。グズグズしてると避難させていた九十の船を呼び戻されるかもしれん」

相原が言う。「そうなったら……」

「そうだ。こちらに勝ち目はない。〈ワープ、波動砲、またワープ〉とできないことは、完全に敵に知られたと考えなければならんのだからな。やつらにすれば最小限の戦力で〈ヤマト〉と戦う必要はもうなくなったわけなのだ。この真上に百隻で網を張られてしまったら、とても逃げることはできん」

「百隻で……」

と南部が、まだちょっと、外を気にする顔で言った。多勢を相手にするとなれば、砲が焼き付く心配を最もしなければならないのがこの男だ。

「戻してくるでしょうか?」

「どうだろうな」と沖田は言った。