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彼岸島短文詰め

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雅篤



雅篤で甘甘な創作するならお題は①:少しだけ本音を教えます②:互いの汗の匂いにまみれる③:今さら初恋だなんて です


【少しだけ本音を教えます】

「出かけるのか」
「ああ、少し留守にする」
ふうんと反応の薄い篤に雅はニヤニヤしながら寄ってきた。
「何だ、寂しいのか?」
どこをどうすればそう見えるとあきれている篤を抱きしめる。
「居ない間に浮気なぞするなよ」
「ある訳ないだろう」
しばらくこの男と顔を合わせないで済むというのに、そんなわざわざ面倒な事。
「じゃあさっさと帰ってくればいいだろ」


【互いの汗の匂いにまみれる】

まるで白い陶磁器のような肌は、体温など持っているのだろうか。死体のように冷たく、汗の一つもかかない。ずっとどこかでそう思っていた。実際の所、触れてくる手は自分より余程冷たいが、陶器のような無機物の冷たさではない。やがて熱が高まって湿り気を帯びていく肌は、互いに同じものだった。そこから匂い立つ汗の匂いは、既に馴染みのあるものになってしまった。篤、と頬を掠める息は熱かった。


【今さら初恋だなんて】 

理由などない。元から自分は”そういうもの”だったのだ。例え生まれた時から周囲に疎んじられていなくとも、おそらく変わりはしなかっただろう。
他人は己の欲を満たす為に利用する存在でしかない。いくら気に入りの玩具だろうと、この男にしても同様であったはずだ。そのはずである。
「…で?」
「うむ…私は思うのだが、つまりこれは、非常に今更ではあるがお前が私の、」
「聞きたくないから言わなくていい」
作品名:彼岸島短文詰め 作家名:あお