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第三部5(105)1934年ポスキアーヴォⅡ

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ー 今夜もいない…。

夜の仕事を終えて戻って来たユリウスは、がらんとしたベッドを見て小さなため息をつく。

アレクセイは、きっといつものようにダイニングでウォッカを煽ったまま寝落ちたのだろう。

碧の瞳が夜の闇より一層深い闇を帯びる。

ユリウスは一日中働いて泥のようになった身体をノロノロとベッドの中に沈めた。

一人では広すぎるそのベッドに身を横たえると、知らず涙が溢れてくる。

シーツを涙で濡らしてユリウスはいつものように眠りに落ちた。