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女体化ジルヴェスターの災難~ドレッファングーアの暇潰し~

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過去の来訪 2



 未来に渡った驚きと興奮がまだ去っていないからか、アレキサンドリアが丸々抜けていたが、木札を覗く者が居ない為、そのままになる。
「折角ですし、アレキサンドリアで素材を集めたら如何でしょう。」
「そうだな、良ければ共に行こう。色々気になる事もあるし、な。元の時代に還る方法も探さなければなるまい。」
 記憶の無い3日間に関係ある。そう判断したフェルディナンドはマッドサイエンティストの顔になっている。
 苦笑したローゼマインに過去のユストクスが、良い笑顔で嬉々として頷く。フェルディナンドの婚約者で、未成年アウブに興味津々の様だ。そんな中。

 「私はエーレンフェストを出るのか?」

 端から見れば、淡々と聞いている様にしか思えないが、全ての女神は違った。
(これは…!! 私の名は要らぬのかって聞いてきた時と同じ…! そうか、この頃のフェルディナンド様はエーレンフェストが何よりも大事な筈…!! 多分、先代はもう病気だろうし、執着が養父様に移っている頃じゃ…!? エーレンフェストから必要とされていないって思っちゃったんじゃ…!!?) 
 だとしたら、エックハルトやユストクスはともかく、フェルディナンドだけはジルヴェスターに預けた方が良い。
「養父様、過去のフェルディナンド様とお話されたい事はございませんか? こんな機会はそうないのですから、ユストクス達は此方で見ますから、御兄弟水入らずでどうぞ。ね、如何です? フェルディナンド様。」
 ローゼマインが咄嗟に優雅とは言えない仕種で、帰った方が良いかと考えてそうなジルヴェスターのマントを掴み、過去のフェルディナンドに視線を向けた。
「へ? まあ、構わぬが…。」