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逆行物語 第六部~護衛騎士~

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アンゲリカ~考えない女~



 母が嘆いています。父が溜め息を吐いています。妹が怒っています。私は叱られています。理由は私が試験に合格出来ないからだと思います。
「アンゲリカ…、どうして貴方は!」
「何故、此処まで分からないんだ…。」
「お姉様、今のご状況が解っておられますかっ!!?」
 …取り敢えず悲しそうな顔をしておきます。少しは説教が短くなるのです。…何時もなら。
「私が試験に落ちたからです。」
「ならばお母様の嘆きもお分かりでしょうっ!!? どうして勉強なさらなかったのです!!?」
 勉強が苦手なのだから仕方有りません。頭を使うから側仕えは出来ないと騎士コースを選んだのです。なのにどうして勉強しろと言うのでしょう? 
「アンゲリカ…、お前…、貴族になれなくて良いのかっ!!?」
 コテン、と首を傾げます。何故、私が試験に落ちたら、貴族になれないのでしょう? 
「アンゲリカ! 何故、分からないのですっ!!? 我が家に泥を塗ったのですよっ!!」
「申し訳ありません…。」
 解りませんが、どうやら私が悪い様なので、悲しそうな顔をもう1度作って謝ります。
「謝って済む問題では無いのですよっ!!」
「…お姉様、貴族とは、貴族院を卒業した者の事を言うのです。試験に合格出来なければ、進級出来ません。
 病気等の理由であれば、再度講義を受け直し、試験を受ける事も出来ますが、単に勉強不足の者の為に、特別措置を取っては貰えないのです。
 つまり、進級出来ないと言う事は、貴族院を卒業出来ないまま、貴族院を辞めなければならないのです。当然、シュタープは封じられます。シュタープが封じられる事は、奪われる事と同じです。シュタープを持たない事と同じなのです。
 シュタープが無ければ、貴族にはなれません。お姉様はもう我が家の下働きになるか、神殿に行くしか無いのです。」
 何と、私は貴族になれないのですか。流石に一大事だと解ります。しかし私は全く勉強が出来ません。騎士にも勉強が必要なら、私が貴族になれない事は、ずっと前に決まっていた事です。
「私は下働きになった方が良いのでしょうか? それとも神殿に行った方が良いのでしょうか?」
 嘆いても仕方有りません。どちらの道が良いのか解りませんから、家族に決めて貰う事にします。
「我が家の恥だっ、此処は下働きに…、」
「お待ち下さい、お姉様の魔力で下働きは…、神殿の方がまだ…、」
「何を言うのですっ!!? 我が家の恥を外に出せません!!」
「ですが、お姉様が貴族院を中退するなら、どの道、アウブにお話が行きます。中級貴族で魔力量も多いお姉様なら、魔力奉納を命じられるかもしれません。
 下働きにするなんて申せば、魔力の無駄遣いと言われるやも…。」
 良く解りませんので、決まるまで私は黙っていましょう。
 
 ――私は結局、神殿に行く事になりました。