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オクトスクイド(5)

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ホタルが気を失い、こちらに倒れてくる。それを受け止め静かに地面に寝かせた。

「見てたわよ!凄い~あのホタルを倒しちゃうなんて!」
「あなたは・・・。」
見覚えのある一人の赤が手を振りながらやってきた。精鋭の先輩だ。
「いやぁ~いきなり第3の若手隊員が精鋭にきたもんだからどんな実力を持った子か前から気になってたの!同じ隊でも訓練中は話せないからね、あ、私マオっていうの!宜しく!」
「よろしくお願いします。カンナです。」
お互いに熱い握手を交わした。
「でもあなたが最初、ホタルに撃たれた時は吃驚しちゃった!」
と言いマオはカンナの撃たれた場所のインクを拭いてやった。大事な一張羅だもんね?と微笑む。そういわれてカンナはそこまで聞かれていたのか・・・と苦笑した。

「本当に対タコのインクが効かないなんて不思議ね。なんで?」
マオは純粋に不思議そうな顔で問いかける。
カンナはそれに慣れてしまっているのか動揺もせずスムーズに返答した。
「・・・・むしろこっちが聞きたいくらいなんですよ。生まれつきの物だし自分でも分からないんで、もう体質ってことにしてます。」

自分で自分がわからない様に演技する。それが一番自分の秘密を隠し通せるやり方だった。
そうだったんだ・・・とマオが言う。カンナはこれ以上詮索されてはならないと話題を変えた。
「マオ先輩。ちょっと聞きずらいんですけどこのホタルを拘束する任務って、私とマオ先輩で行う計画でしたよね?」
カンナはサキから渡されたプランをマオに見せた。マオはあっ、やばい。と声を漏らす。
「・・・・今度からは時間内に集合をお願いしますね。」
「はーい・・・・・。」
本来ならばマオとカンナでホタルを拘束する予定だったがマオが時間内に集合しなかったのである。カンナが岩の陰でマオを待っていると、ホタルに気配を感じられマオがいないまま戦闘に入ってしまったのだ。
「次からは気を付けるから!ごめんなさい。」
「・・・よろしくお願いしますね。」

(でもマオ先輩、さっき “撃たれた時は吃驚した”って言ってたから結構
最初から見てたんだろうなぁ・・・・まぁいいけど・・・。)


「まぁ、あなたが任務をうまくこなしたから、3班も順調みたいね。SOSの連絡も来てないし。結果オーライってとこね。」

カンナがホタルを捕まえた後、無線で3班にメインの実行に移るように連絡した。
3班の役目は地上に上がり、イカを捕らえてくることである。他の班も3班がうまく任務をこなせるように3班に的確な指示を入れたり、地上の人員の動向などを確認している。
「なら良かったです。じゃ、あたし達も任務の続きをしましょうか。」
カンナは倒れていたホタルを持ち上げた。アシサキ前線基地の拘留先までホタルを連れ込めばカンナたちの任務は達成である。しかし、マオはカンナを止めた。
「そいつは私が持っていくわ。」

どうしてですか?と言おうとするとマオが口を開いた。
「今回は私達精鋭でもめったにない地上に出る任務なの。せっかくの機会なのに地下でいるなんてもったいないわ。今あなたの先輩たちがどういう風に動いてるのか見てきなさいな。あなたにとっていい経験になると思うわよ?」
と言ってマオはホタルを持ち上げる。マオは元々身長が高いせいか(オクタリアンはインクリングに比べて高身長である。)彼女が涼しい顔でお姫様抱っこしていると本物の男性の様に見えてくる。

見とれているカンナにマオはにこっと笑った。
「大丈夫よ。あとは私にまかせて。」
と言ってマオはゴーグルを装着した。太陽の光がゴーグルに反射し、カンナはまぶしさのあまり目を細める。
「さっきは一人にしちゃってごめんね。でも、よくやってくれたことはサキ総隊長にちゃんと報告しておいたから。・・・・・・。ねぇ、この任務が終わったら一緒ご飯でも行きましょう?私、あなたの事もっと知りたくなっちゃった。」
と言ってマオ先輩は柔らかい笑みを返す。
マオ先輩だって精鋭では若いほうである。なのにこうやって自分に機会をくれるとはなんとマオ先輩は心が広いのだろう。カンナは先輩になったことがないのでよくわからないが、先輩になるとはこういう事なのだろうと思った。

「マオ先輩・・・ありが」

感謝の気持ちを述べようとしたその時だった。

バチャ!!

カンナの顔と体に勢いよくインクがかけられた。ホタルが地面にどさっと落ちる。
カンナは後から来る痛みに目をしかめ、自らのグローブでインクに汚れたゴーグルを拭いた。視界が明瞭になると、目の前にいたはずのマオがいなかった。目線を下にやれば、マオが着ていたプロテクターとゴーグルが無残に地面に転がっていた。

「マオ先輩!!」
カンナはガクッと膝をつき、地面に溜っているインク・・・マオだった物に手を添える。
マオ先輩、マオ先輩と呼びかけ、何度インクをかき回してもぴちゃ・・・・っと、ただむなしくインクの音がするだけだ。
転がっていたゴーグルを手に取り、自らの胸に当てた。少ししか接していなかったけど、いい人だった。
カンナは悔やんだ。自分が早く気付いていれば彼女は死ななかったかもしれない。
でもマオ先輩は帰ってこない。もう永遠に会えない。




(うっつ・・・・・・・。ここは?)
落とされた衝撃でホタルが目を覚ました。ちょうど敵に背を向けており相手は自分が目を覚ましたことには気づいてない。寝たまま岩のほうを見るとなじみ深い人影がこちらへ向かっているのが見えた。
(4号・・・・・・!!)
ホタルと現れた4号は目を合わせる。

しめた。敵は悲しみに暮れていて4号がいることには気づいてない。
4号が地上から来たという事は地上はすでに解決済という事・・・・!
ホタルは起き上がり4号のもとへ駆け寄った。
「4号・・・!来てくれたんね!・・・あっ!」
先程のけがで足が痛むホタルが体勢を崩した。それを4号は、白い華奢な手でしっかりと受け止め、ホタルの拘束を外した。
「アイドルが、女の子がこんなに傷ついて・・・・少し休んでて・・・。」
4号はホタルを座らせた。
先程マオを撃ったチャージャーを取り出してカンナの方にゆっくりと歩む。

4号は短いショートカットのゲソを二つ横におろし、丸くて大きな瞳は薄い黄色をしていた。長いまつげを節目がちに瞬きする。白い肌。華奢な腕。細い滑らかな足。
そして何事にも無関心そうな、ミステリアスな表情。いかにも戦闘には向きとは言えない女の体だ。

「君、とても悲しんでる。僕が君の仲間を殺したから。」
と言って4号は全く表情を変えずカンナに語り掛ける。カンナはずっと顔をうつむけたままだ。
「・・・・・僕も悲しいの、嫌い。いや、見たくない。」
と言って四号は自身の目を手で押さえた。
「ごめんね・・・。」
4号は全く動きのない瞳でしっかりと相手を見据え、チャージャーの銃口をカンナに向け引き金を引いた。
「僕のせいで君が悲しんでるなら、悲しみから解放してあげるが僕の仕事だよね・・・」

ズガンッ・・・・・・!!!

とてつもない近距離で致命的な一撃が放たれた。たとえカンナに対タコインクが効かなくてもこの距離で撃たれれば彼女にとっては相当の苦痛が伴うだろう。
作品名:オクトスクイド(5) 作家名:Red lily