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オクトスクイド(5)

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4号はふぅ・・・とため息を漏らしチャージャーを下ろした。しかしそれと同時に4号は一瞬だけもともと丸い目を更に丸くした。

強烈な一撃を受けたにも関らず敵は何のダメージも患わっていなかった。
痛くないの?と口を開こうとすると敵は座ったまま4号の方へ首をねじった。
「・・・・・さっきからだらだらうぜぇ事言ってんじゃねえよ。特にお前みたいな黄色い声は嫌いだ。」
「・・・・君、仲間がやられてそれで頭がいっぱいなんでしょ?」
と言って4号はホタルの方を見る。ホタルはヒーローチャージャーを構えた。
「こっちは二人。君は一人。だから君は・・・・。」
「うるせぇ!!!!」
4号の言葉をカンナは遮った。4号を睨みつける。しかしいつも見ている怒りのこもった睨みではなかった。

「ごちゃごちゃ言ってねぇでかかって来な。」
カンナはいつもの鋭い眉と口をゆがませ、悲しみと後悔が混じった顔で4号を睨みつけてた。




「ふわぁ~~~・・・やっぱり休みの日は外に出るのが一番だよね。この頃、第3は忙しかったしたまにはこうやってゆっくりとした時間を過ごさないと訓練疲れで乾いちゃうよ。」
と言って一人の赤が背伸びをしながらアシサキ前線基地を歩いていた。
一度も人前で外したことがない旧ゴーグル、ちょんと丸い鼻。柔らかい下がり眉。ピンクに火照った頬。

腰にはバケットスロッシャーがかけられていた。アオイだった。
「あれからカンナにも会ってないし、久しぶりに会いたいなぁ~任務終えたらカンナの部屋で遊ぶ約束してるから、昨日張り切ってマフィン作ったけど・・・いや・・・作りすぎちゃったけど喜んでくれるかな?」

昨日、精鋭で疲れているカンナに美味しいものを食べさせてあげようと張り切って作っていたところ、砂糖の入れる分量を間違えてとても甘くなりそうだったので小麦粉や水を足していると膨大な量になってしまったのである。
昨日の恥ずかしい失態を思い出していると、ふと任務の事が頭をよぎった。

「・・・でも任務ってどこでいつ何をするんだったけ・・?でも、今日じゃないよね。」

他の隊の事とは言え、きちっと見てよけば良かったのかな・・・。

「ん・・・?」
アオイは旧ゴーグルの中で目を細めた。遠くの方で何かが争っているように見えたからだ。
アシサキ前線基地はほかの場所と比べて比較的平和な場所である。そこで何か起きるなんて・・・。アオイは不吉な予感を感じた。
アオイは足音を最小限まで抑えられる歩き方でそこまで近づいた。恐る恐る岩の陰からそれを見た。
一人のタコゾネスが、自分たちの宿敵であるイカと2対1で戦っている。それだけでも不利なのに相手はなんと他のイカより身体能力の高いホタルと4号でないか。
「あれは・・・・・。」
アオイは一人孤独に戦う赤のゾネスに見覚えがあった。いや、間違えないわけがない。他のタコより小さめの身長。まだ新しめの新デザインの戦闘服。オクタブラスター。
そして少し切られている前髪。

「カンナ・・・・・!」
アオイは今の状況を理解し、ごくりと喉を鳴らした。

作品名:オクトスクイド(5) 作家名:Red lily