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日常ワンカット

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招かれざる友人編


「また来たのかね」
処女宮の奥、石の扉の向こうにある沙羅双樹の園。
ハンモックの上で休んでいたシャカは唐突にやってきた隣の宮の主人に、どこか眠たげな声をかけた。
いつも目を閉じているためわかり辛いが、シャカは今の今まで眠っていたのである。
だが何者かがこの園に侵入した気配を感じ取り、目を覚ましてしまった……というわけだ。
……目は閉じているが。
「……邪魔したか?」
戸惑い気味に訊ねるアイオリアに、シャカは瞼越しの視線を向けると、
「君もそのような気遣いが出来たのだな」
と、どこか皮肉っぽく呟き、ハンモックから降りた。
細い体に巻き付けられた黄土色の袈裟が、ふわりと踊る。
「私に話があるのだろう?折角だ、中に入って茶でも飲んでいきたまえ。先日アッサムのいい茶葉が入った」
インド人らしく、シャカは紅茶にはなかなかうるさい。
ムウに入れてもらう紅茶も美味いが、シャカの紅茶もかなりのものだった。
「遠慮なくご馳走になろう」
嬉しそうに応じたアイオリアは、弾むような足取りで処女宮内へ戻っていった。
やはり美味しいものを味わえる時は、気分が高揚するのだ。[newpage]
[chapter:斬り捨て御免状編]
作品名:日常ワンカット 作家名:あまみ