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機動戦士ガンダムRSD 第37話 不屈の意思

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オノゴロ島ではミネルバ、アークエンジェル及びガーティー・ルーが整備と補給作業を受けていた。
 マユ大佐は、悪夢にうなされていた。
友軍機が次々にガンダムサイガーMk-2に撃墜されていった。
自分は、ただ傍観者として宙に浮いて見ているだけだった。
そしてガンダムサイガーMk-2は、逃げていたお父さんとお母さんをビームライフルで焼き殺した。
マユ大佐は、悲鳴を上げた。
そしてそのガンダムサイガーMk-2にシンが駆るインパルスガンダムがビームライフルを連発したがすべて回避され接近を許しビームサーベルで貫かれた。
マユ大佐は、声にならない悲鳴を上げた。
刹那自分がモビルスーツのコックピットにいるのに気づいた。
そして接近警報が鳴り響いた。
モニターを見ると正面からガンダムサイガーMk-2とガンダムサイガー改が接近してきた。
マユ大佐は、あわてて回避しようとしたがまったく動かなかった。
マユ大佐は、絶叫した。
「マユ、マユ」
 マユ大佐は、やさしい女性の声に飛び起きた。
「ルナマリアさん」
 声をかけていたのは、ルナマリア大尉だった。
「うなされていたわよ。
大丈夫?」
 ルナマリア大尉は、ベッドの隣の椅子に腰掛けマユ大佐の冷や汗をタオルでぬぐった。
「はい」
 マユ大佐は、再び寝ようとしたが先の夢のせいで眠気が吹っ飛んでいて寝付けなかった。
「ミルクを温めるわ。
寝付けないときの解消法は、これが一番」
 ルナマリア大尉は、笑いながらそういってオノゴロ島から支給された牛乳を電子レンジで温めた。
普通牛乳のような日持ちしない物資は、ただのごみとして軍艦には乗せないのが常識である。
これは、地球軍コロニー軍隔たりない常識のひとつである。
しかし本国に駐留中の軍艦は、違う。
こういう軍艦は、本国から離れていないため日持ちしない食べ物も普通に入ってくる。
ことさら軍関係者の食べ物は、一般国民に比べて豪華である。
これは、食べ物を豪華にして少しでも兵士のストレスを軽減させようとする軍の意向である。
そうこうしていると電子レンジが鳴った。
ルナマリア大尉は、中身を出してマユ大佐に渡した。
「ありがとうございます」
 マユ大佐は、それを受け取ると息を吹きかけてゆっくり飲み始めた。
ルナマリア大尉は、その光景を温かく見ていた。
すると突然マユ大佐が暗い表情になった。
「お兄ちゃんは」
 それを聞いてルナマリア大尉は、表情を暗くし少し視線を落とした。
「あなたの兄は、強い戦士だったわ。
私が保証する」
 マユ大佐は、顔を上げた。
「なら」
「どうしてお兄ちゃんは、死んだのって聞きたいの?」
 マユ大佐は、ルナマリア大尉に心を見透かされたような感じがした。
「死神に殺された多くのエースパイロットたちは、皆憎しみで戦っていたのよ」
 ルナマリア大尉は、説明を始めた。
「憎しみ?」
 マユ大佐の問いにルナマリア大尉がうなづいた。
「憎しみは、己を喰う魔物よ。
それに飲み込まれたら皆死ぬわ」
 ルナマリア大尉は、マユ大佐のほほに手を添えていった。
「だからマユ。
もうアスカ家の者は、もうあなた一人なんだから絶対に憎しみで戦っちゃだめ。
そうなったら犬死よ」
 そういってほほに添えていた手を離して自分のベッドにもぐりこんだ。
「ルナマリアさん、それはどういう意味ですか?」
 マユ少佐は、まったくわからなかった。
「いずれわかると思うわ。
そのときは、あなたは死神を超える戦士になれる。
私が保証する」
 マユ大佐は、再びホットミルクを飲み始めた。
 次の日マユ大佐は、司令室で純白の死神とガンダム四天王を撃墜寸前まで追い詰めたこととガイヤス・ギヤを多数撃墜したことをたたえられルナマリア大尉とステラ少尉と共にネビュラ勲章を授与された。
するとカガリ代表が部下から箱を受け取った。
「それからこれをマユ・アスカ大佐とルナマリア・ホーク大尉に」
 2人は、箱の中身を見た。
するとそれは、FAITHの徽章だった。
「な、なぜ?」
 ルナマリア大尉は、困惑した。
何せ他国の代表がこれをもっていたからだった。
「不服かね?」
 カガリ代表は、少し困った表情をした。
「い、いえ。
そんな、そんなことありません。
ただ他国の代表からこれを受け取るとは、夢にも思っていなかったもので」
 カガリ代表は、ルナマリア大尉が言いたいことを理解した。
「これは、ここにこれなかったデュランダル大統領の代わりに私が君たちに渡す形式になったのだ。
ここからは、デュランダル大統領のメッセージだ。
『これは、君たちの力を頼りにしているという証だ。
どうかそれを誇りとし今この瞬間を裏切ることなく今後もその力を尽くしてほしい』とのことだ」
 カガリ代表は、表情を少し緩めた。
「光栄です。
ベストを尽くします」
 マユ大佐が言った。
「自分もがんばります」
 マユ大佐の発言にルナマリア大尉もそれに便乗した。
周りは、温かい拍手をした。
 式も終わり皆は、解散しようとしていた。
「では、お先に失礼します」
 三人は、タリア艦長に敬礼して部屋を出た。
「本当にFAITHに任命されたんだよね?
まだ夢を見ているみたい」
 3人は、会話をしながら廊下を歩いていった。

                                     ※

 アドラステアのマン・マシーンデッキでは、マーク中将は大破した自機を眺めていた。
機体は、すでにハンガーにかけられず擱座したように座り込んでいた。
「可変までの修理となると次の戦いには、参戦できませんが可変をあきらめてくれるなら何とか間に合わせることができます」
 機体をチェックした整備士長がマーク中将に報告した。
「頼む」
 マーク中将のお願いに整備士たちは、早速修理作業に入った。
マン・マシーンデッキには、他にもガイヤス・ギヤが数十機収容されていたが艦内の中で一番ひどいのは、本機だろう。
背部に搭載されたミノフスキードライブの左翼は、途中から斬られ機体各所からはいまだ伝導液が漏れ出し右腕は途中から無くなっていた。
そんな機体を直せと命令した理由にサオトメのガンダムオラクルが完成できなかったことがあった。
サオトメの力は、いまやコロニー軍の力そのものと言っても過言ではないほど強力である。
そんな彼が本気で戦える機体を完成できなければ誰しもあせるものだ。
しかしこのあせりは、不要な焦りである。
何せサオトメは、ガンダムサイガー改の改修機であるガンダムサイガーMk-3を手に入れたからである。
しかしスタッフの不眠不休の過酷なスケジュールによってコロニー艦隊に事前連絡がなされないままガンダムサイガーMk-?の開発は、行われた。
「マーク中将」
 そのとき部下が近づいて敬礼した。
「何だ?」
 マーク中将は、部下の方を見た。
「ボギー1及びボギー2の所在がわかりました。
トリントン基地からの報告です」
 マーク中将は、トリントンからの報告という言葉にいやな予感をした。
「で、その二隻はどこに?」
 マーク中将の質問に部下は、衛星写真をマーク中将に渡した。
「オーブです」
 マーク中将のいやな予感は、的中した。