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先生の言葉 全集

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100.茶道



 どうもどうも。ご無沙汰しておりました。チャンプサムライさん。

 しかし相変わらず派手ないでたちですね。そんな目立つ格好で迷宮の中にいると相手に的にされそうですが、大丈夫なのですか?

 むしろ自分たちを的にしている間に、後続の仲間が魔法とかでやっつけてくれればいい? なるほど。そういうやり方で戦っておられるのですか。あなた方の体力的にタフな部分を十分に生かした戦いかもしれませんね。

 でも、そういう戦い方で勝利を得てきているんだとは思いますけれども、心に引っかかる部分とかはないんでしょうか。たとえば、俺だけが貧乏くじを引いているんじゃないかって気持ちになったり、攻撃が集中しすぎて死んでいった同僚のチャンプサムライたちもいたわけでしょう? そんなとき、どうやって気持ちの整理をつけたりしているんですか。

 ええ。それについて、最近ちょっとハマっている趣味がある? これから一緒にやってみるかって? ええ、一緒にやるのはまあ構わないんですが。キャンプを張って、お湯をわかすんですか。で、わいたお湯に、緑色の粉末を入れてかき混ぜて……。

 ……で、これを飲めと。これ、あれですよね、サムライやニンジャの間ではやっているオチャとかいうとても苦いとうわさの飲み物……。まあ、飲めと言われれば飲みますけど、私はもうアンデッドなので味覚なんてありませんし、ただただのどから入って下半身から流れ出るだけですよ。

 それでも飲めって? うーん、ゴクリ。なにか変わったことはないかって? いや、特に何も。じゃあ、もっと飲んでみろ? ゴク、ゴク、ゴクリ。……うーん。

 ねえ、チャンプサムライさん。おそらく戦の合間に一人でこの飲料を口にされることで、あなたは心の平安を得ているのだと思われますが、申し訳ありませんが味覚がいかれてしまっている私には、この魅力が理解できそうにありません。嗅覚は多少まだ生きているので、このオチャのほのかな香りだけは伝わってきますがね。

 もちろん、だからといってあなたがこの汁を口にし続けるのを否定することはしませんよ。それで、われわれ魔術師配下をもり立てることにつながるのであれば大歓迎です。

 なに? わかった、もう飲ませない。けれども、飲んだ後はうそでも「ケッコウナオテマエデ」と言ってほしい。要するに、おいしかったよ、という意味だから?

 はあ。うそでも言うもなんですか。よくはわかりませんが、まあいいでしょう。

 ケッコウナオテマエデ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔