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悪魔言詞録

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75.御魂 サキミタマ



 あら、ごきげんよう。召喚主さま。この度はこの地に召喚してくださって、誠に感謝しておりますわ。

 ところで、召喚主さまは、わたくしの仲間であるアラミタマ、ニギミタマ、クシミタマの3名には既にお会いになっておりまして?

 ああ。皆さま、十分役に立ってくださったのですね。そうですか、それはありがたい限りですわ。わたくしたちは変わり者ばかりで少々面倒な種族ですので、そのようなお言葉を召喚主さまからいただけるなんて、大変うれしく思いますのよ。
 でも正直、あのなかなか個性的な3名をうまく使いこなすのはとても大変だったでしょう。さすがは召喚主さまですわね。彼らと同種族であるわたくしも変わり者を自負しておりますが、正直、彼らほどおかしな輩ではないなと思っているところですわ。

 ええ。そうなんですのよ。とかく私たちはあなたの前に姿をお見せする頻度が低いらしいですわね。召喚主さまのやり方次第では、一度も合わずに冒険を終えられることもあるぐらいですの。それに、役に立つ数少ないシーンは、やはりどうしても御魂合体になってしまいますから。どうしてもスポットが当たるのは、御魂よりもその合体相手になってしまいますわ。ですから、たとえ同族だとしても、お役に立てたなんてことを仰ってくださった日には、やはり飛び上がるぐらいうれしく思いますのよ。

 というわけで、御魂として最後に召喚された私も、ぜひ召喚主様のお役に立つべく、頑張って戦闘も合体もこなしていこうじゃないかと思いますわ。私は戦闘に出してもそこそこ有効なスキルを持っていますので、エースにはなれなくとも末席の役目ぐらいは努め果せることぐらいはできると思いますの。一応回復のスキルを持っていますしね。まあ、でも、やはり本懐は他の3体と同じく、合体にありますけれども。

 さて、敵がやってきましたわ。種族を代表して、御魂のいいところを見せる機会ですわね。張り切っていきたいと思いますわ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔