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獄寺百花@ついったん
獄寺百花@ついったん
novelistID. 7342
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骸ツナ(骸視点)

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貴方がいなければ
この世界に価値はない…


そう思うのは、必然ですか…?



~悲狂世界~



マフィアを殲滅し、この世界を滅ぼす…

それが僕の思い描く理想…

けれど今は、その理想が変わりつつあります…

沢田綱吉、貴方に思いを寄せてからは。


貴方のことが好きになってしまった。

仲間を思う優しい色をした瞳、
整った鼻筋、きれいな愛らしい唇…

その全てが愛おしい、欲しいと感じた…

貴方にその思いを伝えた時、
少し困った顔をしていましたね。
けれど、少し間をおいて頷いてくれました…

僕はとても幸福感を感じました。
これからもずっと続くと思っていたのに…

それはとんだ思い違いだったんですね。



「骸…」

「すみません…迎えが来たようです。」

首に鎖をつけられて、ヴィンディチェの連中に連れていかれる。

…それが罪人の運命。

脱獄しても、結局同じなのですよ。

「俺は骸、君が好きなんだ!」

「はい…」

「だから、最後にお願いが…」

「なんでしょう…?」

微笑みを浮かべて、綱吉の方を見る。

「君の為に、命をかけさせて…」
「!?」

綱吉はヴィンディチェの連中に立ち向かって行きました。

…僕の為に

「逃げるんだ、骸!
君が苦しむ姿はもう、見たくないんだよ…。」

「な…」

「頼む、逃げて…」

「…っ」

僕は何も言えなくなり、
その場から逃げ去りました…

綱吉を残してきたのが心配でしたが、彼なら大丈夫…

心の中で信じていたのです。

…何の根拠も無いのに。


「骸様…。」

「何です、クローム。
そんな哀しい顔をして…」

「ボスが…亡くなられました」

「!?、本当ですか…?」

「ヴィンディチェに殺されたらしいです…」

「あ…綱、吉が」

「骸様!?」

僕は強い衝動に駆られ、クロームを刺し殺してしまった…

「クローム…いや、綱吉…」

僕は狂ってしまいました…
彼が、綱吉がいないという現実を受け入れられずに…

クローム、犬、千種の亡きがらが転がる部屋で、
僕はいつも考えます…

「綱吉…つなよし!!!!」

貴方がいない世界に意味があるのですか…?

頭には綱吉の事ばかり…

彼の為に何度も脱獄をした…

その度に捕らえられてしまったけれど、
僕は何度も綱吉に会いに行こうとした…

「どうしてですか…
僕は脱獄してでも、貴方に会いに行くのに…」

なぜ僕を残して、死んでしまったのですか…?

「…一番苦しんでいたのは、
綱吉なのですか?
僕が脱獄して会いに行く時、
彼は本当に喜んだ顔をしたことがなかった…」

綱吉、君は…
僕を牢獄という呪縛から、
解放したかったのでは…?

様々な憶測が頭の中を駆け巡ります…

でも、いくら沢山の事を考えても、貴方がもういないという事実は変わることがない…

「わかっています、でも…」

貴方の声、姿、何もかもを
全身で求めてしまう…

「貴方との思い出が、僕の体を支配するのです…」

もう会えないのですか…?

「綱吉…」

僕はいつも泣きます。
この部屋で、貴方を思い出して。

でも綱吉は戻らない。
何をしても戻らない。


「…この世界を潰しましょう。」

貴方のいない世界。
それは僕にとって、何の意味もなさない世界。

ならば…














「潰してしまいましょう。」


…fin