骸ツナ(ツナ視点)
ごめんね、骸…
俺こうする以外、
君を救う方法が思いつかなかったんだ…
~犠愛世界~
君の事を一目見て、とても惹かれた。
蒼い綺麗な髪と、オッドアイを持つ君の姿に。
何故か救いを求めているような
そんな感じが君からしたんだ。
…君を救いたいと、そう思ったりもした。
君から告白の言葉を貰った時、
いろんな感情が複雑に絡み合って、少し困った顔をしちゃったな…
でも、凄く嬉しかったんだよ?
俺と同じ気持ちだったなんて、
思ってもみなかった!
けれど…
こんな幸せがずっと続くと思っていた俺は、思い違いをしたらしいんだ…
「骸がまたヴィンディチェに捕まった…?」
俺の元に流れ込んでくる情報。
裏社会に通じているから、
些細な事も正確に、すぐ分かる。
「また脱獄して俺に会いに来るのかな…」
牢獄での生活は、苦しいはず。
脱獄までするのだから、
俺の想像を絶する苦しみを味わっているんだろうな…
「彼を、骸を救いたい…」
愛する人が苦しみ続けるのは
恋人として、とても辛い。
俺が命を懸けてでも、
彼を救ってあげたらいいんじゃないかな…
(綱吉…つなよし!!!!)
あ…俺、死んだんだ。
ヴィンディチェに殺されて…
…誰もいないや。何もないし。
でも、どうしてだろう…
目から涙が溢れてくるんだ…
頭の中は、君しかいない。
他の人が入り込めない程、
君しかいないんだ…
何で俺、泣いてるんだろ…
これで彼を救えたはずなのに…
後悔、してるのかな…
確かに俺、もっと君と一緒にいたかったよ…
もっと話したかったし、
もっと抱きしめて貰いたかった…
でも、俺は君を救わなきゃいけなかったから。
せめて、ヴィンディチェという苦しみから。
ねぇ骸…
君はどう思っているのかな?
俺が命を捨てたこと…
あぁ、涙が溢れてきちゃった…
君に会う事はもう、許されないんだね…
辛い、苦しい、悲しいよ、骸…
…もし神様がいるのなら、
俺の願いを聞いてください。
「俺が感じるはずだった、一生分の幸福を骸に…」
「…ありがとう、俺を愛してくれて。」
…fin
作品名:骸ツナ(ツナ視点) 作家名:獄寺百花@ついったん