嶽(山誕)
「…ここはどこだ?」
目を覚ますと、見知らぬベッドの上にいた。
横には何故か、獄寺の姿もある。
「獄寺…?」
「山…本?山本か!?
ここは何処だっ!!!?」
「わからないのなっ」
その時、ガタッと物音がした。
「………はぁ!?
何で過去の俺とお前がいんだよ!?」
そこに現れたのは、10年後の獄寺だった。
「あぁ!?……未来の、俺?」
「どうした、獄寺…?
て、ちっちゃい獄寺と俺??」
「山本!?」
四人は目を丸くし、お互いを見つめあった。
「…そういえば今日、山本の誕生日だよな。」
24獄寺が言った。
「そうだな…」
「俺達で、山本の誕生日を祝ってやるか?」
「あぁ!」
二人の獄寺がコソコソと話す。
それを二人の山本はおもしろくないという面持ちで見ていた。
「「山本!」」
「「何だ獄寺?」」
ちゅっ
二人の獄寺は、山本二人のほっぺたにキスをした。
「「誕生日…おめでとう」」
「「獄寺ぁぁぁぁぁ!!!」」
山本が獄寺を抱きしめる。
「く、苦しいんだよ………」
「離せ…」
「「無理なのなっ」」
山本が声を揃えて言う。
獄寺は山本に抱きしめられながら、呟くように言った。
「プレゼント…無くて悪ぃな」
「何か俺にして欲しい事は………あるか??」
上目遣いで言う獄寺に、山本は照れる。
「う~ん…。してほしいこと、か…」
「獄寺にしてもらいたいこと…」
山本二人は悩んだあげく、一つの結論に至った。
「「今日一日だけは、俺をツナだと思って何でも言うことを聞いてほしいのなっ」」
「「はぁぁぁぁぁ!!!?」」
愕然とする獄寺達。
「嫌ならいいんだっ」
「無理にさせるわけにはいかねぇし…」
少し悲しい顔をする山本。
「べ、別に嫌じゃねぇけどよ…」「ま、まぁ、誕生日だしな…」
獄寺達は、山本の要望を承諾をした。
「た、武さん…?」
「俺達は何をすればいいですか…??」
「「獄寺からディープキスしてっ」」
作品名:嶽(山誕) 作家名:獄寺百花@ついったん