無重力に託された虚無と夢
もしもこの地球が無重力だったら、
気まぐれな貴方を追いかけて今よりも自由にどこまでも飛んでいけたでしょう。
(たとえどんな困難があっても、足掻いてもがき苦しんでもきっと貴方の元へ飛んでいける)
否、きっとそんな事貴方に言ったら平和ボケした戯言と鼻で笑うでしょうね。
(下らない考え、と何処までも美しくあっさりと俺に言ってのけるでしょう)
(嗚呼、本当に貴方って何処までも酷い人)
(でも、)
(それでも、俺はきっと貴方を愛してる)
そんな鎖のように身を絡めとる愛という概念がある限り俺は、
(空に舞う事も無く今に海水に浸かって溺れ死ぬでしょう)
無重力に託された虚無と夢
(そして俺の手元には愛だけ置いておきましょう)
作品名:無重力に託された虚無と夢 作家名:白柳 庵