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my everyday

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今日、いつもよりはやくリボーンは目が覚めた。


朝早くから執務室で仕事をしてるであろうボンゴレマフィアのボス・沢田綱吉ことツナのもとへ、暇をもてあましたリボーンは行くことにした。
ツナは予想通り、朝から机の上で仕事をしていた。
あれから十年。ツナの髪は伸びた。
「あれ?おはようリボーン。珍しいね」
「あぁ」
「あはは。でもまだ完全には覚醒してないね。もうすぐ朝ごはんだから一緒にどう?」
「あぁ」
「これ片付けちゃうから、ソファに座って待ってて」
「あぁ」
ツナはあぁしか言わないリボーンに微笑んでから、目の前の書類の束を片付け始めた。


ツナがあらかた書類を片付けたときには、リボーンも覚醒したようだった。
「お腹空いた?」
「終ったのか?」
「うんまぁ朝までのはね。じゃあ行こうか」
「ここで食べないのか」
「うん。ここは執務室だからね」
ツナはどんなに面倒でも場所にこだわった。この広大な敷地に建つ大きな屋敷で場所にこだわることがどんなに意味のないことか誰でもわかるが、それがボスの意思だ。誰も文句を言わない。それにちゃっかり設計に関わったツナは自分が使うために便利なようにしてあるから、リボーンもとくに文句はなかった。
食堂(他にいいようがなく、ツナがそう名づけた)に着くと、すでに朝食が用意されていた。食堂は海が望めるようになっている。海が太陽の光を反射して目が眩しいほど輝いていた。

「今日はオフだっけ?仕事あった?」
「いや、休みだ」
「そっか。今日はきっと良いことあるよ」
リボーンはコーヒーカップを持ってにこやかに言うツナを見た。なぜか今のツナが言うと本当にそうなる気がしてくるから不思議だ。
この朝食の時間がすでにリボーンには良いことに思えた。それに、目の前には立派なマフィアのボスに育ったダメツナがいる。リボーンにとってこれ以上の幸いがあるだろうか。
ふと、リボーンは自分が過去を振り返っていることに気付いた。まだ朝なのに珍しいことがよく続く日だと、リボーンは苦笑した。
「どうかした?」
首を横に振ってリボーンは答えた。
「静かだな」
「そうだね。今ほとんど出払ってるから」
「じゃあ今誰がいるんだ?」
「いるじゃん。俺の目の前に」
にやっとツナが笑った。いまだに幼い顔がさらに幼く見えた。
「おれは休みの日まで仕事しないぞ」
「ヒットマンに休みはないって言うじゃん」
「勝手なこと言うな。まぁ、ボスにもないな」
「嫌なこと思い出させないでよ」
「で、誰なんだ」
「ランボを呼んだ」
「他にいなかったのか」
「ランボじゃ不服?仕方ないじゃん。他にいないんだよ」
「みんないないのか?」
「……いないわけじゃないけど」
「いるんだったらそっちのやつにも頼め。あいつ一人じゃ不安だ」
「じゃあリボーンが頼んでよ」
「雲雀か。お前はいくつだ?」
呆れた顔でリボーンが言うと、いい年した男が拗ねた顔をした。そうゆう顔が似合うから凄い。
「別に、俺一人でも頼めるよ。でもさ、必ず襲って来るんだよ。守護者なのに」
「それぐらい相手してやれ」
「俺だってそんな暇ないし、怪我したくない」
ツナは絶対に嫌だという顔をした。
「まだ雲雀と闘って怪我するのか。まだまだな」
「ランボのどこがいけないのさ」
「…あいつは確かに強くはなる。だが、今はまだ甘ちゃんだ」
「盾ぐらいにはなるよ」
「あいつが死んで一番悲しむのはお前だろ」
ツナは何かを言おうとして、止めた。ちょうど、食堂の扉が開いたからだ。開けたのは雲雀だった。
「あ、おはようございます、雲雀さん」
「おはよ。客人だよ」
雲雀の後ろに、ぼろぼろになったランボが涙目になって立っていた。ほらっという視線をツナはリボーンに向けた。だからなんだと、リボーンも目で答えてから、今のうちだぞとも答えた。ツナの顔が輝いたのがわかった。
「雲雀さん!今日のご予定は?」
「特に何もないけど」
その言葉を聞いてツナは立ち上がり、二人を空いている席に勧めた。
「じゃあランボと今日俺のボディガードしてくれませんか?」
使用人にコーヒーと頼んでいた雲雀はツナの顔を見て、にっこりと笑った。
「ぼくと勝負してくれる?」
「ランボ!今日は一人でも大丈夫だよね!」
むしろそっちのが良いとでもいうように、盛大に頷いた。
「冗談だよ。さっき相手してもらったから、構わないよ」
「本当ですか?!ということでランボ。頑張ってね!」
爽やかな笑顔でツナはうなだれたランボに言った。
リボーンはただその光景を見ていた。そろそろツナは仕事に戻った方がいいと、あえてこの時は言わなかった。確かにツナは変わった。そして自分も変わったなとリボーンは心の中で笑った。
冷めたコーヒーを口にしてから、リボーンは立ち上がった。
「ごちそうさま」
「あれ、もう行っちゃうの?」
「あぁ、おれは休みだからな」
「なんだつまんない。ぼくも帰ろうかな」
「ひ、雲雀さん?!」
「フフ、冗談だよ」
雲雀さんの冗談は本気そうで恐いよと、肩を竦めたツナに背を向けリボーンは食堂を出た。


さて、今日一日何をしようか。
作品名:my everyday 作家名:こん