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痛いくらいの愛を叫んで

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喧嘩してたらシズちゃんがバランスを崩しました。
それだけの話なのに。
世界が変わるようにさえ思えてしまった。










痛いくらいの愛を叫んで







全部がスローモーションみたいだ。不覚にもぼんやりとしながら臨也は考えていた。
こっちに倒れかかる金髪。砕けて浮いたコンクリートが光を弾いてきらきらして、眩しくて、


ぼうっとするな、俺。このままじゃぶつかる。
あの不必要にかたい体が当たったら痛いじゃすまない事はわかっているのに、どうしてだろう。

目が、目が離せなくて。
ものすごい至近距離で見開かれる目をきらっきらの睫毛が囲んでいる。
いっつも眉間に皺ばっか寄せてるから気付かなかったけど、こうやって見ると、

(目、おっきいなぁ)








―――ゴッ!!








「っい、」
「~ってぇぇぇ…」







どんなにゆっくりに見えてもやっぱり、ものすごく痛かった。
目の奥が真っ赤に染まる。顔面陥没したんじゃないだろうかってくらい、痛い。



ってかなんだ今の。
なんだ今の一瞬。




勢い余って頭から突っ込んできた静雄を顔面で受け止めながらも頭はそれでいっぱいだった。
舞い上がったコンクリート、埃、その全部がきらきらして見えて、
むしろいっそ世界中がきらきらしてるみたいに見えて、


そのまん中に、君がいた。



痛みのせいだけじゃなく全身が急激にぽかぽかと熱くなっていく。


(なんだこれ…なんだこれ!)


呆然とする臨也の上で静雄が漸く体を起こした。
この一瞬で全身がボロボロになった臨也とは違い、制服以外はいたって平気そうな様子に腹が立っても良いはずなのに、そこに

も意識が行き着かない。
ぱさ、と静雄の髪からコンクリートの破片が落ち、それが気になったのか水を払うみたいに頭を振って、睫毛が2度程瞬いて、
それからようやく静雄は臨也と目を合わせた。


「っあ、え…と」
「…なんだよ」


なんだよ。本当になんなんだよ。
俺は何を言おうとしたの。
臨也がひたすら混乱する中、静雄は悠々と押し倒している臨也から体を上げた。


(ってか、今、すっごい密着して、…って俺そんな、なんでそれ位で、こんな)


「ってか臨也」
「へぇっ?」


声が裏返しになった事さえどうでも良いと思えた。
だって隣で寝転んだ静雄が、きらきらしてる。
光を吸い込んだ金髪が、睫毛が。


「鼻血、でてる。まぬけー」


にや、って、笑うから。



痛いくらいに、心臓が、きゅんて、鳴いた。







(ああああもう、ばか)
(なに、どした)
(何でもねえよばあかシズちゃんのばあか)
(なんだとてめえせっかく人が)







心臓っていうかもう全身が痛いくらいに。









作品名:痛いくらいの愛を叫んで 作家名:佐藤