SSやオフ再録
「気配!?テラスファルマの!?」
「いや、違う。・・・多分だけど、テラスファルマの衰退時期が、過去に遡ったことで現れた、別の魔物だろうね。」
「別の魔物!!そんなものが・・・」
「当然じゃない?テラスファルマによって滅ぼされたものもいるんだから。ま、君たちの戦いには、直接関係のないことさ。でももし戦おうとするんなら気をつけたほうがいい。かなり強力な気配だったよ。テラスファルマは恐らく数であれに勝利したんだろうけど1対1なら、まずテラスファルマも敵わない。」
「・・・そんな強力な魔物が・・・。」
「砂漠の方と、ホドス村のほうに感じたね。他にも居るのかもしれないけど・・・。とりあえず、ボクは疲れた、誰かさんのおかげで。もう休む。ねぇ団長、無愛想なお兄さんに大人しく付いて行ってがんばったお礼は?」
ゼフォンは休む、と言った後でまたニッコリと団長を見た。
「え?お礼?・・・何がいいの?」
「そりゃあキミ・・・」
「貴様、ふざけるなよ?仲間なんだったら当然のことをしただけであろう。」
笑顔で言いかけたゼフォンを遮ってザヴィドが睨むようにして言った。
「うるさいなあ。それくらいいいでしょ?これでもボクはかなりがんばったんだよ?」
「・・・ていうか・・・。」
団長がポカンとしながらザヴィドを見る。ザヴィドは赤くなりながら怯んだ。
「な、なんだ?」
「今、仲間って・・・。ザヴィドも僕たちのこと、やっぱり仲間だって思ってくれてるんだね!!」
団長がものすごい良い笑顔で嬉しそうに言った。ザヴィドは真っ赤になった後で“うるさい!”とあらぬところを見た。
ゼフォンは少し面白くなさそうにその様子を見た後で団長の腕を取った。
「とりあえず、じゃあ行こうよ?」
「え?どこに?」
「ボクの寝し・・・」
「貴様!」
「ゼフォン。あなたはお疲れのようなんですから、遠慮なく休んで英気を養って来て下さい。団長・・・とりあえず今後の予定ですが・・・。」
そんな様子にザヴィドが憤っていると、そこにレギウスが淡々とした様子で近づき、さりげなくゼフォンの手を団長から離しながら言った。
途端ゼフォンの背後が何やら黒くなる。
「え?ああ、うん、そうだね。ゼフォン疲れてるんだっけね、うん、ゆっくり休んでて。あ、ザヴィドもね。じゃあレギウス、とりあえず200年前に行った後でトルギアの浮城に・・・」
普段不遜な気配に鋭いはずの団長は、このなんともいえない空気を何一つ感じとっていないのか、いつもと変わりない様子でそう言いながら歩き出す。
レギウスはゼフォンとザヴィドに無表情で礼をした後で団長に“そうですね・・・”などと言いながらついて行く。
「今のレギウスの顔、無表情だけどドヤ顔だったと思わない?」
「ああ、俺にもそう見えたな。貴様と珍しく意見が合うとはな。」
「だよねぇ?とりあえずあの邪魔なおじさんをどうにか・・・」
「って、ちょっと待て。レギウスは軍師なんだからな、頼むぜまったく・・・。」
とてつもなく不遜な空気を放出し始めた2人に、いかにも他の真の時代樹の枝でもいるであろう他の天孤星達とも共通しそうな様子でデューカスが呆れたように、だが人の良さそうな様子で止めに入っていた。