とある審問官の憂鬱
それはニンゲンだけでは無く我々上位に位置する者も同じである。
一つ例に取ってみれば、貌に大きなコンプレックスがあるのか如何なる時でも鉄仮面を付けてる、我らの元締め第七管区長が良い例だろうか、まぁ彼の場合少々極端過ぎる気もするが……
そんなこんなで私にも一つどうしても克服したいコンプレックスが一つあるのだが……
「謹啓謹んで申し上げ奉る。上司ドラノール、書類への検印作業の手が止まってる也や」
「失礼シマシタ。ちょっと考え事をしてイマシテ、少し休憩シマショウガートルードの淹れる紅茶はまた格別デス」
「了解也や、紅茶を入れて参ります」
やはり私の1番の部下であり友である上級補佐官ガートルード一等司祭には何をやらせても完璧である。
それに私と違い出る所は出ていて抑える所は抑えられまさに、ぼん・きゅっ・ぼんな理想な体型である
「上司ドラノール、先程何故私をそうまじまじと見つめる?」
どうやら何時の間にかまた私は彼女を見つめてたらしい
「ふぇ!あぁ失礼シマシタ」
「謹啓謹んで申し上げ奉る。上司ドラノールは最近ぼぉーっとしてる事が多い也や」
「気のせいデショウ。さぁ美味しい紅茶が冷めてしまいマスヨ」
「上司ドラノール、何か悩みがあるなら微力ながらではあるが手助け致し奉る也や」
まじまじと見つめる彼女の視線に耐えられなくなり私は仕方なく話す事にした。
「ガートルード私はやはり幼児体質なのデショウカ?」
「謹啓謹んで申し上げ奉る。汝幼児体型と知り給え」
うぅ……こうまではっきりと言われると傷心を通り越し諦めるしかない……
「けれどその小さい貴女が私は好き也や」
「へ?」
「小さい上司も悪く無い」
私は勤務中である事を思わず忘れ、面倒見が良い部下であり、親友である彼女に抱き付いてしまった
「じょ、上司ドラノール只今は、き勤務中であると知り給え」
たまには慌てふためく姿を見るのも悪くはない
「もう少しだけこのままでいさせて下サイ。ガートルード一等司祭」
「もう少しだけですよ、ドラノール・A・ノックス一等大司教殿」
「アリガトウゴザイマス」
本当は凄く恥ずかしい行為なのに何故か今だけは温かく感じた