二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

それゆけ僕らのセンスゼロ兄妹

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「この私に組めと申すに、来てみたが……組む相手とはお前か。ルキア」

「は、はい」

「このルキア、決して兄様の手を煩わすことのないよう努力致します」

「駄目だ」

「お前のような未熟者が前線に立つなど朽木家の名折れとなる」

「私自身の未熟さは、重々承知。ですが、少しでも兄様をお役に立てるよう……」

「二度は言わぬ」

「速やかに立ち去るがよい」

「立ち去りたくとも、戦闘はもう始まっておりますが」

「何、だと……!?」

白哉が後ろを振り向くと、見覚えのある少年&青年二人。

「あれは日番谷、ん?隣の者は確か草冠と申したか。
十番隊隊長ともあろうものが、謀反をおこした者と行動を共にするなど……
いや、確か、かの者は消滅したはず・・・」

「ルキアなんだこの戦いは、この組み合わせは」

「神の仕様です」

「仕様、だと……!?よく意味はわからぬが、
つまり我々に選択の余地はないということか?」

「そのようございます。 舞え。袖白……」

「待て。まだ始解程度しか身に着けておらぬ未熟なお前の技など
通用するはずもあるまい。ここは私が……」

「あの、兄様、後ろ……」

ドゴ!

まずは日番谷が、白哉の男としての絶妙な位置に蹴りをかます。

「十番隊隊長とあろうものが、同じ隊長格に、不意打ちとは誠に卑怯な……、
よほど私を怒らせたいと見える。ならば、その目で確かめるがいい。
誇りを傷つけるということがどういうこと……」

ドコドコドゴ!!!!!

次は草冠の蹴り→パンチ→蹴りのコンボ。
こんな攻撃、ソウルソサエティであったか?

「くっ!」

さすがの白哉といえども、隊長格2人の直接攻撃は堪える。


「兄様……!」

ルキアが白哉の元に駆け寄る。
この展開にとてつもなく嬉しいデジャヴを感じるが、それを億尾にも出さぬのが朽木白哉クオリティ。

痛みを必死で堪えながらもちゃっかりルキアの腕をとり、

「ふっ、このような瑣末な攻撃で力を使い果たしたと見える。反撃だ、ルキア」

とクールに装う白哉。

ちなみに白哉のHPの棒線はすでに真紅に染まっている。
ルキアだけならず、白哉以外のすべての者がそれに気づいているが、
そっとしておくのが人情というものであろう。

「そうですね、朽木家……いいえ、「センスゼロ兄妹」の名にかけて……!」

「センス、ゼロ兄妹……?」

「はい」

「誰だ!そのような名をつけたのは!」

「私にもよくわかりませぬ」

とかなんとかそんな問答をしている2人に、後ろより「氷輪丸ー!」という声が響く。

「奴め、卍解をすると見える。姑息な・・・お前は下がっていろルキア、邪魔だ」

「下がれません」

「何……!?」

「何故だかわかりませぬが、ここより後ろには下がれないのです」

ルキアが足でコンコンと後ろを叩く。

白哉は思う。

なぜだ? そういえば、稼動範囲がいつもよりやたら狭く感じる。
というより、さっきから何か見えざる力が自分を動かしているような気がする。
しかし、朽木家第二十八代当主が何者かに操られるなどありえない……!

ならば、稼動範囲を確かめるべくやるべきことは一つ!

白哉は夜一との瞬歩で鍛えた脚力を使い、真上めがけて思いっきり跳躍した。



ゴッツーン!!!

飛び出る火花。
落下する自分。
それを崖下で無言で見つめる日番谷・草冠・ルキア。


「おのれ!逃がさぬよう結界を張り巡らすとは誠に卑怯な……! さてはかの者共は、まだソウルソサエティを征服せんとする野望を抱くか!」

目から星が出ようとも、悶絶したいほど恥ずかしくとも、
努めて冷静に耐えかつ朽木家に伝わる受身で軽やかに着地し、さらに檄を飛ばす。
それが朽木家第二十八代当主・朽木白哉である。


「いえ、実は私達がラスボスです」

「らすぼす?それは敵役ということか?
私はそのようなことは聞いておらぬし、理由もないぞ」

「それが仕様というものです」

いつもより妙に冷静なルキアが気になるが、どうやらここは戦うしかないようだ。
しかし、ここでルキアに戦わせると、決して前線に出さなかった
今までの自分の根回しがまるっきり無駄になる。

「まあよい、お前はとにかく私の後ろにいろ。未熟な者が下手に動くと迷惑だ」

「承知致しました。あ」


ルキアが「後ろ」と呟く間もなく、日番谷&草冠コンビの氷輪丸2対が、
思いっきり口をあけて、センスゼロ兄妹を待ちかまえていた。




その後のことは、多くは語るまい。



「クッ!」
「よほどその命いら……」
「千本さく……(ドゴ!)」


と漢・朽木白哉は己のHPが0になるまで義妹を守り抜きましたとさ。

おわり。